食養内科

56 私が玄米食を始めたいきさつ

 私が玄米食を始めたのは病気のためではないのです。風邪をひき易いとか、太れないとか、体力は弱い方でしたが、病気だとは思っていませんでした。これは生まれつきの体質でしかたがないことだと思っていました。
 私の悩みは肉体の事より精神の方でした。唯物論の中で生きていたのが、科学で解明されない不思議な現象に興味を持ち始め、何を信じてよいか分からなくなってしまったのです。超常現象、古代文明、霊界、宇宙人、未来予知、空中浮揚など、さまざまな不思議な現象に興味を持ちました。結局の所、訳が分からなくなってしまったのです。
 その頃、本屋で目にしたのが、桐山靖雄氏の本でした。キーワードは“密教”でした。桐山氏は空海の宗教を“密教”として、超能力の開発で人が救われるような内容を書いていました。
 私は桐山氏の話に心酔しました。これこそ本物だと思い、桐山氏の本が出たら買って読み、密教で救われようと修行しました。修行の内容はヨーガでした。佐保田鶴治氏のヨーガが詳しく書いてありました。お釈迦様の修行もヨーガだったのです。
 桐山氏は修行の過程で食べ物のことも研究しておられました。密教修行の補助食品として“密教食”と言う物も売っておられました。その修行の中で桐山氏は白米では効果が出ないので、玄米を食べるように書いておられたのです。それで私は玄米を食べることにしたのです。
 玄米は米屋で買いました。圧力鍋も買いました。そのころ私は自炊を始めていましたから、玄米を炊くことは楽なことでした。
 玄米を食べて、一番驚いたことは便通が良くなったことです。その頃私は慢性の便秘で困っていました。コロコロの兎糞便できばってもなかなか出てくれないのです。これにはほとほ困っていました
 ところが玄米食を始めた途端にリッパなウンチが出るようになったのです。バナナのような一本糞が出るようになりました。これには感動と感激がありました。
 玄米の効用は意外な所に出てきたのです。予定外のことが起こったので、私は玄米に興味を持ち始め、玄米関係の本を読むようになったのです。
 その時、本屋で目についたのが森下敬一氏の書物でした。森下氏の本は何冊も読み、影響を受けました。
 私の玄米にたどり着く流れを見ると、精神的な悩みから入ったことになります。病気治しではなく、心の悩みが、私を玄米に導いたのです。
 食べ物を変えて、体が改善されてくると、精神面も改善してきました。
 そうなると、私の精神的、肉体的な弱さは生まれつきのものではなく、生まれた後の食生活の間違いが自分の体を悪い方へ運んだことになるのです。もし自分の食生活が弱い体を作ったのなら、食生活を改善することよって、強い体になるはずです。
 玄米食を知った事は、私にとって、希望が出てきたことになりました。
                                                         平成24年5月30日
著作 長岡由憲