食養内科

55 パンの食べ過ぎは血虚につながる

 私がパンとアトピー性皮膚炎について考えてきた結果、日本人の場合、上記表題のように言えることが多いのではないかという感触を得ました。
  近頃はパン屋が多くなり、日本人がパンを食べる回数が多くなってきました。そこでパンの食べ過ぎると血虚になるという話をしたいと思います。
 パンを食べ過ぎると血虚になるのではないかと感じた第1号の例は皮膚病の患者です。この人は20歳代の女性でアトピー性皮膚炎ということで来院されました。アトピー性皮膚炎と言っても、皮膚は全身“さめ肌”です。皮膚の色は白く、乾燥しうろこ状の薄い皮膚がめくれているのです。私はこれを見た時、生まれつきの乾燥性皮膚だと思いました。病名で言えば魚燐癬というものです。
 この人の食事内容の特徴として、ご飯をまったく食べていないということでした。その理由は忙しくてご飯を炊く時間がないというものでした。職業は国家公務員で男性に負けない位、働いていました。
 食事内容としては主食以外にも問題があったと思いますが、ご飯を食べずにパンを食べていたということが大きい問題として私の記憶に残りました。


 通院で食事療法を含めた治療を始めると、不思議なことに、皮膚が良くなってきました。さめ肌のような皮膚が段々と普通の皮膚に戻ってきたのです。うろこのような落屑がなくなり、皮膚が普通になり“さめ肌”が消えたのです。
 その時、私はこの皮膚は生まれつきのものではなく、自分がつくったものであると分ったのです。この経験によって私は“パンを食べるとさめ肌になる”と思い、パンよりご飯がよい人がいる事を知ったのです。
 アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患の一つですから、食べ物から言うと、たんぱく質が第一に問題になりますが、乾燥性の皮膚も痒くなってアトピー性皮膚炎として治療されます。一般的には血虚になると皮膚が乾燥してきます。
 その後、漢方の寺師先生が、パンを食べる人には漢方薬を出さないと言う話を聞き納得したことがあります。
 寺師先生は不妊の治療で有名な漢方医ですが、先生はパンが不妊の原因の一つとして考えておられたのだと思います。
 しかし、私にはパンがなぜ血虚の原因になるのかどうしても理解できませんでした。パンは小麦粉で作っているのですから別に問題があるとは思いません。一つ考えたのは、パンは酵母で膨らませていますから、でかいパンを食べたとしても空気が殆どで、小麦粉の量は少ないと思われます。それが問題かと考えました。
 それともう一つ考えたのは、ご飯は水を入れて炊きますからしっとりしています。それに対しパンは焼いて出来上がるから、水分がぬけています。こういう焼いた食品は、日本人の胃腸にはなじみが悪く、うまく吸収されないのではないかと思いました。
最近、春日大社の宮司で人生指導をしておられる葉室頼昭氏のことを聞き興味を持ちました。それでインターネットで調べてみると、葉室氏が日本人の食べ物についても警告をしておられました。ポイントは日本人は昔から食べてきたようなものを食べた方が良いといわれるのです。どういう根拠があるのかは知りませんが、なぜか納得してしまいました。

 ホームページ“いい話しの新聞記事集”よりその部分を紹介します。

日本人は今、原点に返ってもっと世の中の本当のことを知らないといけない。商売の利益になるというだけで、休耕田をふやし、外国から食料を輸入して平気で食べているけれど、食物を消化吸収するというのは、胃や腸の細胞の中にある遺伝子の働きなんです。

遺伝子の中には百五十億年前から伝えられている神の知恵と地球上に生物誕生以来、祖先が代々伝えてきた経験の知恵が含まれています。だから祖先が昔から食べてきたものは消化できるけれども、日本人の遺伝子の記憶にない食べ物は体が消化しにくい。

消化しにくいからお腹の中に不消化物がたまり、そこから毒素が出て病人がいくらでも増えるんですよ。医療費に何兆円という莫大な金をつぎ込んでいるのは日本だけです。日本人なんだから、日本で取れたものを食べなさい。これが健康の元なんです。企業の利益なんてその後のことだ。まず、国民が元気になるということが原点でしょ。

外国のものばかり食べて育った子供たちは、体は大きくなっても体力がない。栄養学の問題じゃないんだ。日本人は日本の米を食べなきゃエネルギーにならないんです。子供たちに今、日本人の生命(いのち)が伝わっていない。生命が伝わらないものは死にます。

生命とは生きる知恵のことです。知恵は歴史からしか学べない。だけど今、教育者たちは知恵と知識を混同して、知識ばかりを詰め込んでいる。生命を伝えるということは、昔からの歴史を伝えるということだ。今の若い人は歴史を振り返るという心がなくなっている。
以下省略

平成24年5月30日
著作 長岡由憲