食養内科

62 関節リウマチの痛みと心

 関節リウマチは関節が腫れて痛む病気です。痛む関節は移動するのが特徴です。西洋医学では免疫の異常と考えています。女性に多いのが特徴です。朝起きた時、手がこわばるのは関節リウマチの初期症状です。
 漢方・中医学では風・寒・湿・熱の外邪を受けて発病すると考えています。そして発病の元にある体質的な原因は瘀血と痰飲(水毒)です。
 関節リウマチを治すと言う場合、食事で治るのかと言われそうですが、関節リウマチの関節炎を治すのではありません。食べ物で関節炎は治りません。治らないという意味は、ある食べ物を食べると、すぐに関節の炎症がおさまり、痛みが軽快するのでは無いと言う意味です。
 食事療法で関節リウマチを治すという意味は、関節リウマチが発症した偏った体質を改善するということです。偏った体質が改善されると、関節の症状が徐々に軽快して、炎症を押える薬が、段々と少なくてすむようになるのです。
 関節リウマチも日野式食養生で結構良くなるものです。岩槻の病院に勤めていたころ、関節リウマチが良くなると雑誌で紹介されて、関節リウマチの人がどっと来院されたことがありました。
 6人部屋が6人とも関節リウマチということもありました。
 私の関節リウマチ治療経験では、殆どの人が漢方や食事療法で効果が出るのですが、中には効果が出にくい人はいます。漢方をまじめに飲み、食養生もしっかりやっているのに、やっただけの効果が現れないのです。
 食養生をして、効果が出ないときは心に問題があるように思うのです。ただ心のどこに問題があるのかが分からず、それが私の関心のあるところでした。
 関節リウマチは女性に多い病気です。女性は男性より感情的ですから、感情の影響で関節リウマチが起こるというのも納得できます。
 関節リウマチの発病について、心の面を指摘した文章に出会ったので、それを紹介します。私の疑問が解消したような気分になったのです。

 始めに中西研二氏の著書「そのまんまでオッケー!」から。次に小林正観著「究極の損得勘定」より。最後にしのはら医院院長 篠原佳年先生の文章です。

 中西研二氏は「中西ヒーリングの会」を主宰されているヒーラーです。私と同じ1948年生まれですが、新聞記者、セールスマン、会社経営など様々な職業を遍歴の後、夢の中でヒーリングの方法を伝授され、ヒーリング活動を行なっておられます。
「中西ヒーリングの会」では会報として、毎月「癒しの村だより」を発行していますが、2003年8月号に、私と中西氏の対談が企画され、私のインタビューが掲載されました。その縁で中西氏から著書を頂きました。
 それでは「そのまんまでオッケー」からリウマチに関する文章を紹介します。

病気の原因となるもの
 
 一言で病気といっても、まだあまり知られていないものを含めると、数えきれないほどの種類があります。病気は私たちの「想い」が創り出しているものだとすれば、その「想い」の数だけ無限にあるわけです。内臓など肉体そのものが病むもの、心が病むものなどさまざまですが、ほとんどの場合そのおおもとの原因は、意識の持ち方にあるといってよいでしょう。ケガさえ、その人の意識が引き寄せるともいえるのです。
 ただし、何かを思ったらすぐこの病気になるという、そんな単純なものではありません。例えば、リューマチという病気の裏には、恨(うら)みという感情が密接にかかわっていることがあるのですが、これにしても誰かを恨んだから、ある日突然リューマチになるというものではないのです。
 世間によくある嫁姑問題で何十年もの間、嫁が辛抱し続け「お姑さんさえいなくなってくれれば」と思い続けた結果リューマチになった。また、奥さんが暴力亭主に脅え、いいたいことや、やりたいことをずっと我慢し自分を押し殺してきたあげく、リューマチになった、などというように、長年積み重ねてきた感情が病気を引き起こす場合があるということです。憎んだから必ずリューマチになるというものではありませんが、そのようなマイナスの波動を持つ感情が体をこわばらせ萎縮させるため、体のいろいろな関節に尿素や乳酸がたまり、変形させる場合があることも確かなのです。このような感情を持ち続けると新陳代謝が徐々に滞り、老廃物がたまるためリューマチなどの病気になりやすくなります。体を常にリラックスさせ伸び伸びできる人は、リューマチなどになることはありません。
 さらに、同じような感情を持っても、その人の肉体的特徴により病気の種類も病気になる場所も違ってきます。私たちには生まれつきの体質、つまり先祖代々の血統の流れというものがありますが、これはこの世に生まれる時に今回のスタディはこの肉体でしようと自分で選んでくるのです。「カルマの法則」によって、自分のスタディにふさわしい肉体にあえてチャレンジするのです。

 次に小林正観氏ですがこの人も私と同じ1948年の生まれです。著書「究極の損得勘定」は患者さんより頂いたものですが、著者紹介には次のように書いてあります。

 中央大学法学部卒。心学研究家。心理学博士。コンセプター。作詞家&歌手。デザイナー(SKPブランドオーナー)。
学生時代より人間の潜在能力やESP現象、超常現象に興味を持ち、旅行作家のかたわら研究を続け、今日に至る。
「嬉しい」「楽しい」「幸せ」と喜ばれる存在になろうと唱え、その頭文字をとった「うたし」会を主宰。(宗教者ではない。)
コンセプター(基本概念提案者)としても、「ものづくり」「人づくり」「宿づくり」「町づくり」などにかかわっている。
 それでは小林正観氏のリウマチに関する文章を紹介します。

「許す」の語源は「ゆるます」

 リュウマチの人の共通項というのは、「笑わない」ことかもしれません。私もガチガチの唯物論者ですが、15歳のころから人間観察を40年続けてきて、人相学、手相学を研究した結果わかったこととして、リュウマチは、笑顔のない人がほとんどだ、ということに気付きました。だからリュウマチの症状が出た人は、ただひたすら笑うこと。面白くなくてもバカ笑いをすること。そのほうが得です。笑うと、脳内モルヒネであるβエンドルフィンが出るのです。
 余談ですが、人間の体内では、笑ったときに、ガン細胞を食べるという免疫細胞「NK細胞」(ナチュラルキラー細胞)が増えて活性化する可能性があるというので、ある大阪のお医者さんが、ガン患者さんを「難波花月」という演芸場に連れて行き、芸人さんのお笑いライブをみせたところ、やはりNK細胞は増えて活性化していたということです。それ以来、一部の医療関係者の間では「NK細胞」は別名「難波花月細胞」とも呼ばれているとか。
 また、腰痛持ちの人の共通項というのは、「怒りっぽい人」「イライラする人」ということです。腰痛の元は「怒り」と「イライラ」らしい。98%の人が怒りの心を失くすと腰痛が無くなります。怒りの感情が表に出るか出ないかは関係ありません。体の中に怒りの感情が湧いて、仮にそれをぐっと押しつぶして外に出さなかった、夫にぶつけなかった、子供にぶつけなかったとしても、怒りが湧いてそれを貯め込むと腰痛になります。怒りと痛みの量は同じらしいのです。
「自分は病気だからつらい」と思っている人は、矢印が逆。つらい、と言っていること自体が、病気を生んでいる可能性があります。
 どんなときも絶対怒らない、どんな人をも許す、とにかく笑う・・・、などということを100%実践していけるわけないじゃないか、と言う人がいますが、「痛み」をかかえている人だからこそできるのです。「怒ると痛いんだ」「笑わないから痛いんだ」という因果関係が分かれば、損得勘定として怒らなくなるし、笑うようになります。
 神経痛や痛風にも同様のことがいえます。これも神経が痛いからです。面白いことに、神経が痛いというのは2つの条件が重ならないと痛くなりません。神経がピーンと張っているということと、その神経をビーンと響かせる外的な状況があることです。痛風の場合は、風が吹くとか、気温の変化とか、自分が聞きたくない一言とか。バカと言われたときに、「そうじゃないもんね」と思うことにより、その張り詰めた神経に対して外的な状況がビーンと弾いたので、その痛みが神経痛や痛風という現象になるわけです。
 外からどういう言葉を投げかけられるかとか、どういう気温の変化があるかというのは、自分には防ぎようがないのですが、防ぐ方法が一つあります。それは、張っている神経を緩ませてしまうことです。すると、いくら外側からビンビンと弾いても、全然響きません。
 10年ほど前、70歳くらいの方が、夜中の2時に電話をかけてきました。医者にかかっても神経痛がちっとも治らない、ということでしたので、「神経を緩ませてください」と言いましたら、その人は「はあ?」と言っていたわけです。「神経を緩ませると痛くなくなりますよ」ともう一度言ったら、10秒くらい経って「はあ・・・」と言って、その後20秒くらい沈黙が続きました。そろそろ切ろうかな、と思ったら「痛くなくなりました」。
 この「緩ませる」ということの具体的な方法を述べておきます。実は「許す」の語源が「緩ます」です。神経を「緩ませていない」人は、人を「許さない」人ということであり、だから痛いらしい。「あなたがやっていることは他人に迷惑をかけていますよ」とチクチクチクッと空から痛みがやってくるのです。教えてくれているのです、緩ませなさい、と。緩ますことはイコール許すこと。自分に対してものすごく厳しい人も同様です。自分に対して厳しすぎる結果、体が「あなたの厳しさには耐えられません」と悲鳴をあげて痛みがおこっているようです。
 また、自分で自分に厳しい人は、必ず、他人にも同レベルで厳しい。自分にとても厳しいのに他人にはとても寛容だ、という人はいないのです。自分が、朝ちゃんと6時に起きているのに、子供が7時8時まで寝ていて遅刻しそうになるとすごく怒るでしょう。これに対して絶対に怒らない方法があります。子供は7、8時に起きるんだけど、自分は9時にしか起きないようにすること。そうすれば絶対に怒らなくなります。「早く起きなさい!」と怒ろうとしたら相手はもう出かけていて居ないですから。すると子供は自分でちゃんと朝ごはんを食べて出かけていくようになります。
 人に寛容になるための方法は、自分を許すことです。従って「いいかげんな人」になればよいのであって、自分で自分に甘い人になること。それが自分を許すということです。
自分で自分を許すことができたら、他人をも許すことができて、許すことができた人は、緩ますことができて、緩ますことができた人は、神経の痛みがなくなります。簡単なことです。
 日本人は体験的に、「許す」と「緩ます」が同じ源であることを知っていた結果として、そういう言葉をつくったのでしょう。ピーンと張っているということは、心も体も痛いんだということを知っている民族だったわけです。
 ですから厳しくすることには意味がないのです。自分にも人にも厳しくて、一生懸命やって、体の中にガン細胞を作って・・・ということで「ばかみ隊」をずっとやっていくことになります。「ばかみ隊」の母親をもつ子供もまた「ばかみ隊」になり、そういう教育がずっと延々受けつがれていきます。自分が緩むことができて、子供にも夫にも姑にも友人知人にも寛容になれた人は、「らくみ隊」の一員に移行することができます。「らくみ隊」にはたくさんの別荘(うれし荘、しあわせ荘、たのし荘)が用意されています。

 最後に篠原佳年氏の話です。篠原佳年氏は岡山県倉敷市に開業しておられる医師です。1996年に「快癒力」という本が出版されベストセラーになりました。それで全国からリウマチ患者が篠原先生の所へ行った事と思います。私の外来に来られたリウマチ患者の中にもしのはら医院に行った人がいました。
 私も「快癒力」を買って読みました。リウマチが治りにくい人の心や気持ちについて詳しく書いてありました。
 このインタビュー記事は雑誌「日経ヘルス」2002年の6月号に載ったものです。篠原医師の考え方が分り易く書いてあると思います。私としては篠原医師も治りにくいリウマチ患者に苦労されたことを知って、納得した所がありました。
それでは「日経ヘルス」の文章を紹介します。

病気を治すのは医師ではなく患者

自分が持つ自然治癒力を引き出そう

 
 私はリウマチの専門医です。リウマチは膠原病と呼ばれる自己免疫疾忠の一つで、治りにくい病気の代名詞です。
 「リウマチなら、しのはら医院」という評判が立っているようで、患者さんは大学病院や大きな病院で診療を受け、でもどうも症状が改善しないということで、僕の所にやってきます。
 実はそのうち、50%の人はリウマチではないのです。驚かれるかもしれませんが、確かに、血液検査などでリウマチ反応があったのでそう診断されたわけですが、年をとれば痛みやしびれが出てきます。また、たとえリウマチであっても治療の必要のない人もいるのです。リウマチという病名がつけば、薬を出し続けます。その結果、一生、その病院の“顧客”となるわけです。
 残りの人がリウマチですが、45%の人は、きちんとしたリウマチ治療を受けていません。医学の教科書では、抗リウマチ剤を使うことになっています。抗リウマチ剤は効き目が出るまで2,3ヵ月かかります。それまで痛みは取れませんから、痛み止めを併用する。これが基本です。
 ところが、うちの患者さんの大半が、以前の病院でステロイド剤を出されていました。高熱が出る、ほかの膠原病を合併しているといった重大な局面でステロイド剤を使いますが、いわば最後の手段です。ところがそれを、最初から出される。10年も20年もリウマチ治療を受けていても、きちんとした抗リウマチ剤を一度も処方されていない人も少なくありません。
 ステロイドは確かに効きがいいのですが、だんだん効きが悪くなる。胃かいよう、高血圧、糖尿病といった副作用も起こります。骨をもろくするので、通常のリウマチよりさらに骨が変形する。僕の治療の大半は、ステロイドを長期間使ってきた人に、いかにステロイドをやめてもらうかというものです。
 これは、医者の中にはリウマチと聞いただけで、やらなくてもいい治療、とりあえず効きがいい治療をやってしまう人がいるからです。個々の人に合わせたリウマチ治療が行われていないのです。
 さて、残り5%はどんなに治療をしてもうまくいかない人です。痛みや症状が強く出ます。この人たちをどう治療したらいいのか、ずっと悩んできました。

治りやすい人と治りにくい人がいる

 慢性関節リウマチは現代医学では治すことが難しい病気です。薬物療法、外科的手術、リハビリと治療法はありますが、どれも完治にはほど遠い。医師から「あなたはリウマチですよ」といわれたら、それは完治の見込みが少ない病気というのに近い。僕は20年間、どうしたらリウマチが治るのかを考え続けてきました。
 開業したのは41歳のときです。大学病院の麻酔科で働き、その後大学院で免疫を学び、膠原病の専門病院で勤務を続けました。開業したら、以前の病院で診ていた人がたくさん来てくれました。でも、前の病院で治った人は来ません。当然、治りにくい人ばかりが「治してくれ」とやってくるわけです。しかし、治療の決定打はいまもって西洋医学にはありません。どうしたらいいのか、途方にくれていました。
 そんなとき、治らない人と治る人には違いがあることに気づきました。『快癒力』(サンマーク出版)という本に詳しく書きましたが、「この人は治らないな」と私が感じるのは「治りたいとバタバタする人」「治らないと思っている人」「治らない方が都合のいい人」の3タイプいるのです。
 病気になれば誰でも治りたいと思ってバタバタするわけですが、「先生、早く治してください」「どうすれば治りますか」「注射を打ってください」と、症状のつらさを脱したいという気持ちだけになっていると、治らない。痛みをなんとかできても、病気は治らない。このことをわかっていないのです。「ああ、もう治らない」と病気への闘争心がなく、あきらめる人。これも治りにくい。医者に言われた通りに「この病気は治らない」と受け止めてしまう。その緒果、受け身になって、医者を頼りにしてしまう。薬をきちんとのんで、病院にもせっせと通う。模はん的な患者ですが、これでは自己免疫力は働かないでしょう。病気になった方が都合のいい人もなかなか治りません。嫁と折り合いの悪い人、仕事がつらい人などは、心の奥底で「病気になったらいい」と思っているのです。

何かに夢中になる人は病気が治る

 では、病気を治すにはどうしたらいいか。僕の経験では、「病気をあきらめた人」「病気を忘れた人」「他人のために生きようとする人」は治るのです。「重病だからとても治らないだろう」と思う人が、こちらが驚くような回復ぶりを見せるときがあります。そういう場合はこの三つのいずれかに該当します。
 難病を前に、「勝手にしろ」と開き直れる勇気、潔さのある人は、病気へのこだわりがなくなり、病気の方が逃げ出すようです。
 何かに強く関心をもち、夢中になっている人、忙しくて病気を忘れてしまう人も、治る人です。孫が生まれてうれしくてその世語に忙しくて病院に来るのを忘れた人がいますが、そういう人は大体びっくりするくらい良くなります
 他人のために夢中に生きる人も治ります。初めは自分の病状ばかり気にしていた人が症状が改善した途端、どんどん色々な人にうちを紹介するようになりました。いつしか、紹介した人たちの結果を気にするようになり、まるで自分のことのように「あの人の具合はどうですか」と聞いてくる。あるいは、動けない人を一緒に車でうちに連れてくる。連れて来たら責任があるから、自分の話はせずに、他人の病状ばかり気にしている。そうするうちに、本人はほとんど治ってしまったのです。

病気は自分の力で治す

 以前は、病気は絶対治るもの―――と思っていました。ところが、医療の現実はそうではなかったのです。リウマチの場合、薬は症状を和らげるだけで、決してリウマチを治すものではありません。副作用もあります。現代医療を学んだ僕ですが、どんなに治療をしてもまったく効果がない患者がいる、経過が順調でも薬に頼っていて、その薬を中断すると病状が再発する。こうしたことに疑問を抱いてきました。
 今では、病気は医学が治すのではなく、病気になった人が自分の力で治すと思うようになりました。医学的には原因がわからない、治療法がないといっても、落胆する必要はなく、自分の意識を変えていくことで、病気を治していけると思うのです。
 病気はその人の体の内部から発信された、生き方に対するメッセージだと思います。「あなたの生き方は病気になるほどバランスが崩れているのですよ」と体が教えてくれている。だから素直になって、生き方を変えなければと思うのです。
 ホルモンの世界最大の製薬会社は、人間の体です。自分でホルモンをコントロールできるのです。楽しいと思ったら、病気を治すホルモンが出ます。インターロイキンという高価な抗ガン剤が発明されたころ、こんな話を聞きました。
 ジェットコースター好きの人が乗ったあとに血液を調べると、インターロイキンの血中濃度がとても高くなっていた。ところが、ジェットコースターが嫌いな人が乗った後は、カテコールアミンといった良くないホルモンが増えていた。
 つまり、その人の心のあり方が体の生理機能に大きな影響を与え、病気につながるのだと思います。治療で行うべきは、その人の心のあり方を変えてもらうことにあると思うようになったのです
 ですから私の診療は、薬以上に効く私の言葉と、患者自身による気づきを基本にしています。私が患者だったら医者からどんな説明を受けたいか、何を話してもらいたいかを常に考えながら、診療にあたっています。患者さんは医者を、治療を支援してもらったり、アドバイスしてもらえる人と思えばいいでしょう。
 私も52歳になり、疲れや痛みが取れにくいのを実感するようになりました。50歳を過ぎた世の中の人は、いい医者と親しくなって、「すべて任せた」というのが病気に対する理想のようですが、それでは病気は治りにくい。病気を治すのは自分なのです。
 最近、患者さんが待っている間に楽しく過ごしてもらいたいという思いもあって、整(せい)膚(ふ)を始めました。マツサージの一種で、全身の皮膚を軽くつまむものです。痛い所が、体の気の流れが悪い所で、そこをよくほぐすと気持ちが良くなります。診断即治療となるのです。
 耳のストレスを測る、ストレス外来のようなことも始めています。心のストレス、病気のストレス、仕事のストレスを、簡単な機械を使って、音で知ることができます。病気に対して、その人がどう思っているかを聴覚を通して具体的に知ることができるのです。逆に、耳のトレーニングをすると、ストレスが取れ、行動が速くなったり、病気に積極的に取り組むこともできます。
 僕の白衣は生成(きなり)という、くず糸まで使った自然な絹でできたものです。「ドクター生成」と呼んでいます。着流しできて、簡単に洗えて。患者さんと医者が1対1の人問として、距離のないようにと考えてのことです。
 体も病気も変化します。私たちの細胞は肝臓は3ヵ月、皮膚は1カ月、胃の粘膜は5日というように新陳代謝を繰り返しています。1年前と同じ細胞は、現在では98%ないのです。病気も1年前と変わっているはずです。もし治療を受けても、年をとるだけで病気が変わらないとすれば、それは心のもち方にも原因があるのではないでしょうか。

 以上、治りにくい関節リウマチ患者の心を覗(のぞ)いた文章を3点紹介しました。
 食事療法を行なって体は変ります。体は治る方向へ向かっているのに心が治る邪魔をしていることがあるのです。食事は目で見えますが、心は目で見えません。心は目を瞑(つぶ)らないと見えません。
 心は外を見ても見えません。心は内を見なければ見えません。
 自分自身の問題に気が付いた時、行動が変り肉体から病が逃げていくでしょう。
平成24年6月27日
著作 長岡由憲