食養内科

ガンの発生と退縮 全体像を探る⑧   印刷用【PDF】はこちら≫

 

発ガンの外的原因と内的原因

ガンは多くの原因が重なって発生する病気です。各個人で発生の原因は異なっています。発生原因を外的な原因と内的な原因に分けて考えると病気の全体像が見えてきます。多くのガンは外的な原因と内的な原因が重なって発生するのです。

外的原因としては上記の攻撃因子が考えられます。こういうものが細胞の遺伝子に刺激を与えてガン細胞を作ると考えられています。外的原因を重視する立場の医者は、ガンを無くすることが重要だと考えています。
内的原因は体の内部の異常がガンを発生させるという考え方です。内的原因を重視する立場の医者は全身的な体質の改善が重要だと考えています。発ガンの内的原因を研究した3人の医者の考え方を紹介します。

小高修司先生は日本の中医学においてはトップクラスの医者です。初めは耳鼻咽喉科を専攻されましたが、途中から中医学の道に行かれました。中医学に行ったきっかけを著書に書いておられますので紹介します。
健康ジャーナル社「思いやりのガン治療」より
「私がメスを捨て、中国医学への道を選択するに至るきっかけになったのは、十数年に渡り患者さんのためになる最良の道と信じて行ってきた、手術、放射線治療、化学療法(抗ガン剤治療)などの「三大療法」と呼ばれる一般的な西洋医学のガンに対する治療方法に対して疑問を感じ、反省し始めたことです。それらは、患者さんにとって必ずしもプラスになるとは限らず、むしろ多くのマイナス面をも含んでいたのではないかと思うようになっていたからです。」
中医学では体の内部の異常が発ガンの原因だと考えています。
同書より
「中国医学で発ガンをどのように考えるかは、特に固形のガンについては、全身を巡っている気・血・津液の流れの滞り(気滞、血瘀、痰飲・湿邪などと呼ばれる)が存在する場所にできると考えます。ただその根本には、気・血・津液の量の不足を背景とする全身の体力の低下(つまり免疫の低下)があると考えます。したがって、ある特定の部位にのみガンが見つかったとしても、背景としての全身的な流れの滞りや量の不足の程度がはなはだしい人は、全身のあらゆる部位に異常細胞の増殖が見られてもおかしくない状況にあると言えるのです。」

マックス・ゲルソンは持病の頭痛に悩まされ、これを治すために色々と努力を重ねた結果、独自の食事療法を作り出した医者です。
自分の開発した食事療法により、様々な病気を治療したのですが、最後はガンの治療にまで広がりました。ゲルソンはガンを全身的な慢性的な老化現象のような病気と考えました。多くの臓器が機能低下し、特に肝臓の機能が衰えているために、解毒作用が低下し、体を浄化できなくなった状態で発生すると考えました。
又、血液のナトリウム、カリウムのバランス異常も原因の一つと考えています。普通は歳とともにナトリウムの割合が減って、カリウムの割合が増えてくるのですが、ガンになる人は、歳をとってもナトリウムの割合が多い事を指摘しています。
ガンを治すためには、症状の起きた場所だけを問題にするのではなく、全身的な視野に立って治療しなければならないと言います。
徳間書店「ガン食事療法全書」より、紹介します。
「一言で言えば、私の理論は次のようなものである。
『最も基本的な問題は、目に見える症状としての腫瘍の増殖と言う現象ではない。最大の問題は、病気に対する抵抗力、免疫力、治癒能力が喪失されているということも含め、体全体の代謝がダメージを受けているということである。そしてこれは、あれこれが原因だというような、目に見えるような原因だけでは説明もできないし、認識もできないものなのである』
つまり私の考えでは、ガンはホルモン、ビタミン、酵素の不足の問題でも、またアレルギーやウイルスあるいはその他、既知および未知のどんな細菌の感染症でもない。また体内での特別な中間代謝物質などや、いわゆる発ガン物質などと呼ばれる体外から体内に入るある物質が生み出す何かに、体が冒されて起こる病気でもない。これらの全ては、いわゆる第二次感染などと呼ばれるものとして、人間のガンの発病につながる寄与因子になってはいよう。」


安保徹先生は内科医の専攻されたのですが、ガンもリウマチも治すことが出来ない医学に希望を失って、基礎医学の研究に進まれました。
安保先生の専門は免疫学ですが、福田稔先生との共同研究で生まれた「福田―安保理論」により、様々な病気の原因を自律神経のしくみから解明されました。
ガンについても、自律神経のかたより(交感神経優位)が、原因の一つとして重要であることを解明されました。
ナツメ社「安保徹の病気を治せる医学」より紹介します。
「働きすぎ、心の悩み、痛み止めの長期使用などの交感神経緊張の持続が発がんの引き金になっていることを知らなければなりません。これを知ると、今までの間違った生き方を直すことができ、がんの恐怖からも逃れることができます。そして、積極的に副交感神経を刺激する治療をおこなうことができます。
<一部省略>
私がこのようなことを述べるまでは、発ガン物質は外から与えられるものと考えられてきました。日光を浴びるな、タバコを吸うな、魚の焦げたものを食べるな、清潔にしろ、などです。しかしまわりのがんになっている人たちをよく観察してください。このようなことが当てはまる人は少ないのではないでしょうか。
がんの原因は自分のなかから生じていたのです。つらい思いをして毎日毎日遅くまで働く人をイメージしてください。いつも不平不満をいって生きている人を考えてみてください。病院に行って、袋がはちきれんばかりの薬を飲まされている人がいるではありませんか。」


平成22年9月28日 食養内科勉強会資料