食養内科

「いずみの会」から学ぶ   印刷用 【PDF】はこちら≫
ガンが成長を止めた?

 「いずみの会」の会員が、食養内科の食事療法を学習するために来院したので、私は「いずみの会」会員の経過を観察することになりました。
 「いずみの会」はガン患者の会ですが、素人の集団でガン患者が情報交換するために出来上がった会です。中山武さんが会長になって会を指導することになり、「ガンは治せる病気であり、ガンは自分自身が治す病気である」という目標をかかげた会になりました。
 中山武さんは食養内科の食事が自分のガン体質改善に役に立ったと思っていたので、会員の中で食事による体質改善が必要であると判断した人に対して松井病院へ行って食事の勉強するように言ったのです。
 私は日野先生が腎臓のガンになって亡くなられたことや、日野先生自身が生前ガンは食事療法では治らないと言っておられたのを聞いているので、ガンが食事療法で治るとは思っていませんでした。
 日野先生がガンで入院しておられた時、翻訳家の今村光一さんがマックス・ゲルソンの著書「ガン食事療法全書」を翻訳され、ゲルソン療法をやってほしいと松井病院に来られました。
 私は腹を決めゲルソン療法とその他の代替医療を行いました。しかしガンが治ると言えるような結果は出ず、ガンの食事療法は私の能力を超えていると判断し、ガン患者を診ることはやめました。ガンを研究していると自分がガンになる心配があったので、ガンの診療をやめたのです。
 中山武さんは日野先生が診療した患者でした。私はその頃ガンに興味がありませんでした。ガンに関心が向いたのは、日野先生がガンになったことが原因です。私は日野先生の後を継ぐ立場ですから、日野がどうしてガンになったかを突き止めなければならなくなったのです。その頃は食べ物の中にガンの原因があると思っていました。
 「いずみの会」の会員が食養内科に入院されるようになったのは平成2年です。初めは年間1人ぐらいでした。平成8年から年間10人以上になりました。平成13年から年間20名を超えました。
 「いずみの会」の会員数も段々と増えていったのですが、私は不思議な現象を見ることになりました。会員の多くが生き延びているという現象です。
 「いずみの会」に入るような人はもう手術もできなくて余命何カ月と言うような人が多いのです。そういう人が生き延びているというのは私の常識では理解できない事でした。
 中山武さんが「ガンが治る」という意味は、ガンを持っていても長く生きることができるということです。中山さんはガンが消えたとは言っておりません。日野先生の考えで「ガンが治る」というのはガンが消えたという状態です。日野先生は1例でもそういう症例を経験したかったので、ガン患者を診る時は患者からガン組織の病理診断書をもらうようにしていました。確かにこの人はガンであるという証拠を持っておきたかったのです。それでガンが消えた人がいないのでガンは治らないと思っていました。
 私は日野先生が言う「ガンは治らない」という考え方と中山武さんが言う「ガンは治る」という二つの考え方の間に立って、ガンは治るものか、ガンは治らないものかを考えました。
 私の考えた結論は、「いずみの会」の会員は、ガンが成長を止めたのではないかということです。ガンが成長を止めたと考えれば、末期のガンであっても長く生きることができるのです。
 「いずみの会」の会員は様々な自助努力をしています。又、中山会長から「ガンになっても長く生きることができる」という意識改革も受けています。
 ガンが自然退縮を起こすとい現象を研究したのは九州大学医学部心療内科の池見酉次郎先生と中川俊二先生です。研究の結果、自然退縮を起こした人の特徴は、ガンになった後、それまでの生き方、考え方を根本的に変えているということでした。
 「いずみの会」の会員が長期延命するのは、生き方考え方を変え、生活習慣を変え食べ方も変えたため、ガンが成長を弱めその後成長を止めたのではないかと考えています。
平成25年3月26日 食養内科勉強会資料