食養内科

慢性病と病的体質   印刷用【PDF】はこちらから>>

 食養内科を受診する多くの人は治りにくい病気を持っています。長期にわたり治療を続け、自分でも生活を変えたり、様々な健康法を行って病気を克服しようと努力するのですが、それでも治らないという人です。ですから、かなり絶望的な状況になっているのですが、自分の病気が治らないはずはないという気持ちがあるために、受診されるのです。
どうして自分の病気が治らないかを考えた時、自分の食生活に問題があるのではないかと気が付いた人が多く来院されていると思います。
 食生活に問題があると気が付いた人が、食生活について書いてある本を読んでみると、健康になるための食事療法には様々な説があることが分かります。一つの食品を取り上げて論ずる時に、この食品は食べた方が良いという説と、食べない方が良いという説があります。本を1冊読んだ時は食べた方が良いと思い、本を2冊読んだ時は食べない方が良いと思うのです。このような食品が多数出てくると、判断がつかなくなりますが、そのような状態で来院する人もいます。
 慢性病を治そうとする場合、症状を治療しても治りません。症状を治療して治る場合には慢性病にはならないのです。
 例えば皮膚病の場合、薬を塗って症状が治ったら、これは慢性病にはなりません。慢性病になると言うのは、薬を塗って治ったのに、しばらくすると又同じ所に、同じ症状が出てくる状態です。同じことを繰り返していると今度は薬を塗っても、皮膚病が治らないという状態になります。こうなると本物の慢性病です。
 食事療法を行って、慢性病が良くなったら、慢性病の原因が食べ物にあったことになります。私の個人的な話をすると、食べ物を変えて病気をしやすい体が改善したため、弱くなった体の原因が食べ物にあったことが、後で分かりました。体に悪い物を食べていた気持ちはまったく無かったのですが、良くなったということは体に悪い物を食べていたのです。
 病気に成り易くなった状態を病的体質と言います。病的体質と言うのは、人体の一種の片寄りです。片寄りの度が過ぎた状態が病的体質です。血圧が高過ぎるのは病的体質です。血圧が低過ぎるのも病的体質です。太り過ぎも痩せ過ぎも病的体質です。
 病的体質は漢方・中医学の考え方です。病的体質は未病と言うものです。病的体質になると、遺伝体質が現れてきます。遺伝体質は親から受け継いだものです。アレルギー体質とか、がん体質とか糖尿病体質とかいろんな遺伝体質がありますが、どれかを親からもらっています。
 健康と言うのは片寄りが無い状態です。日常生活において片寄りが無ければ、健康を保つことができます。
 私は食べ物を変えることによって健康度が改善したため、食べ物に関心が移りました。食べ物については、どのようなものを食べればよいかと言う問題と、どのくらい食べたらよいかと言う問題の二つがあります。質と量の問題です。
 右の図は外来で病気の説明をするために作ったものです。
 食養内科では食事療法で病的体質を治しています。病的体質が治れば、病気が治るのです。
 食事療法では食事の片寄りを直しています。食事の片寄りが改善されると、血の質が改善されます。血の片寄りが無くなると言うことです。血の質が改善されると細胞の質も改善されます。
 漢方・中医学では病的体質、すなわち人体の片寄りを本と言って病気の本質と考えているのです。それに対して病気は標と言い、病気の表面的なものと考えています。病気は症状として現れます。病気は症状が現れた時に病気らしくなりますが、病的体質と言うものを知ると、病気になる前に手を打つことができますから、病気を防ぐことができます。
 漢方・中医学の薬を使うと病的体質を治すことができます。漢方には病気を治す薬と病的体質を治す薬があるのです。
 慢性病を治すためには、病的体質を治さなければならないのですが、この事に気が付くのは慢性病になり長く患った後、それを克服した人です。
 自分の病気はどうして治らないんだと嘆いている人は多いと思いますが、大半の人は生まれつきのものだからとあきらめていると思います。
 私は体が弱いのは生まれつきのものだと思っていました。これは遺伝体質です。それでも現実の生活に困るのですから、何とかしなければいけないと思い、自分なりに努力している時に、食養生に出会うことができました。
 食生活を変えて、体が徐々に元気になっていく過程で、病的体質と言うものを理解することが出来たのです。
平成25年8月27日 勉強会資料
食養内科 長岡由憲