食養内科

                71 アトピー性皮膚の治し方と治り方       <<印刷はこちらから

 アトピー性皮膚炎は治る病気なのか、治らない病気なのか

 アトピー性皮膚炎が治る病気なのか、治らない病気なのかと疑問を持っている人は多いと思います。
アトピー性皮膚炎は治らないという人もいるし、又アトピー性皮膚炎は治るという人もいます。果たしてどちらが正しいのかということになりますが、これはどちらも正しいのです。
 物事は見る方向によってどうにでも見えるのです。円柱を考えてみてください。上から見た人は丸いものだと言います。横から見た人は四角いものだと言います。どちらも正しいのです。
 アトピー性皮膚が治らないという人は、病気は風邪のようにすぐ治るものだと思っているからです。アトピー性皮膚炎はすぐに治る病気ではないのです。
 又、アトピー性皮膚炎が治らないと思っている人は、アトピー性皮膚炎が皮膚の病気だと思っているからです。
 確かにアトピー性皮膚炎は皮膚に出る病気なのですが、皮膚が悪いのではないのです。体の内部に問題があるから、それが皮膚に現れているのです。ですから、皮膚だけを見ているとアトピー性皮膚炎は治らないということになります。
 もう1つ重要な事は、体の内部の問題があって皮膚症状が出ていると言うことは、皮膚症状を出すことが内部の問題の解決につながっていると言うことです。
 体の内部に目を向けていくと、アトピー性皮膚炎が治るという方向に向かうのです。
 又、ゆっくり治していくという方針にすれば、治ると言う方向に向かいます。



アトピー性皮膚炎は治らない早く治す皮膚を治す
アトピー性皮膚炎は治るゆっくり治す内部の問題を治す


 しかし現実の問題としては皮膚に病気があるのですから、これを何とかしなければなりません。患者さんは皮膚病を治してもらいたいと言う希望で医者に診てもらうわけですから、医者は皮膚病をなくする治療をするのです。これも実に当たり前のことです。それで医者は炎症を止める薬や、痒みを止める薬を使って治療します。
 食養内科に来る人は薬物治療を長年行って、結果的にアトピー性皮膚炎が治らない人ですから、薬を使わなくていいような体にしたいのです。問題はそのような体になるのかと言うことです。
 次に治療する場合の根本的な考え方について話をします。アトピー性皮膚炎の根本原因が体の内部にあって、その内部の問題のために皮膚炎が起こっているのですから、アトピー性皮膚炎を止める場合も、どの程度止めたら良いかを考えなければならないことになります。治療の一番難しい所はここなのです。
 もし、体の内部の問題を調節するために、アトピー性皮膚炎を出しているのなら、出るままにしておいた方が良いことになります。

 ステロイド外用薬を長期間使った人

 アトピー性皮膚炎になった人でステロイドを長年使った人は、ステロイドをいくら塗っても治らないことに気がつき、やめてしまう人がいます。ステロイドを止めると、押えていたささえが取れたような感じになり、アトピー性皮膚炎に火が付いたようにひどくなってしまいます。そのままほっておくと3ヶ月から半年くらいひどい状態が続くことになります。
 そのようになった人の話を聞くと、もうどうしようもないので、治るまでじっと耐えていたと言います。
 アトピー性皮膚炎を治すという場合、皮膚病だから皮膚を治療するのはあたり前なのですが。体の内部に問題があって、それが皮膚に現れているのですから、皮膚の治療だけをいくら丁寧にやったとしても、それでアトピー性皮膚炎が治ることはないのです。
 皮膚の治療をしながら、体の内部の問題を解決していかなければならないのです。体の内部の問題とは一体何なのかということになりますが、これが理解できないと治すことができません。

 体の内部の原因とは何か

 体の内部の問題は人体の調整能力を超えた状態が続いた時に発生します。
 アトピー性皮膚炎は炎症ですから、何かが燃えていると考えれば良いのです。燃えるということは消えてなくなるということです。紙くずが燃えると灰になってしまいます。体が炎症を起こすことは何かを燃やしているのです。燃やせばその何かがなくなるのです。
 何を燃やしているかというと、肉体の中に溜まった余分な成分です。余分な成分を燃やしているのです。
 燃やすためには又、それなりのエネルギーが必要です。
 痒いという感覚が起こり、掻くという動作をすることによって、皮膚は赤くなり炎症が始まります。痒いという感覚が起こらなかったら、掻くという動作も起こりません。痒いという感覚を起こすためにもエネルギーが要ります。エネルギーがないと痒いという感覚も起こらないのです。
 何かが余っているのなら、余っているようなもの食べなければいいじゃないかということになります。実際にはそういうことで余っているようなものを食べなければアトピー性皮膚炎は治ってしまいます。

 元気のあるアトピー性皮膚炎と元気のないアトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎になる人も様々な体質があって、元気の良い人は、このような余分なものを食べないようにすれば、段々と治っていくのですが、元気のないアトピー性皮膚炎はそう簡単にはいかないのです。
 元気のないアトピー性皮膚炎と言うのは、どちらかというと痩せていて、貧血気味の人です。皮膚は乾燥しています。このような人のアトピー性皮膚炎を治すためには、元気になるようなものを食べさせなければなりません。
 元気になるようなものとは、血や肉となるようなものですが、血や肉となるようなものを食べさせると、アトピー性皮膚炎が悪化していきます。
 ですから、アトピー性皮膚炎を悪化させないように注意しながら、元気になるようなものを食べさせなければならないのです。ここがむずかしい所です。

 元気のないアトピー性皮膚炎をどのようにして治すか

 食養内科の生態学的栄養学に基づく食事療法は、この条件に合ったような食事内容になっています。元気になりながら皮膚病が消えていく人と、元気になると同時に皮膚病が悪化する人がいます。皮膚病が悪化したとしても、それは食べ物の内容が悪いのではなく、元気になって血流が良くなると、体に中に溜っている余分なものが皮膚炎として出てくるのです。
 したがって、皮膚炎が悪化しても、そのまま様子を見ていれば段々と落ち着いてきます。余りにも激しい時は、一時中断して元の食事に戻すこともあります。

 米アレルギーと言われていた子供

 約20年前に米のアレルギーという子供のアトピー性皮膚炎を診たことがあります。入院して米を食べさせてみましたが、皮膚病は悪化しませんでした。その子は米を食べた時に、アトピー性皮膚炎がひどくなって、米のアレルギーと診断されたのだと思います。
 私の経験でも胚芽米を食べてアトピー性皮膚炎が悪化したり、玄米を食べてアトピー性皮膚炎が悪化した人がいました。
 米は体を元気にする食品ですから、アトピー性皮膚炎を悪化させる要素を持っています。しかし、アトピー性皮膚炎を悪化させることは体の中をきれいにしていることですから、米を食べていけないということにはならないのです。
 私は米を食べる場合、出来るだけよく噛んで米がドロドロになるくらいまで噛んで飲み込むよう指導しています。そうすれば、米の栄養成分がしっかり吸収されて元気の体ができることになります。
 そして皮膚も新しい細胞がどんどん作られて、段々と正常な皮膚になっていくのです。

 アトピー性皮膚炎の治り方

 アトピー性皮膚炎を治す場合、根本原因である体の内部を治すのか、その結果として出ている皮膚症状を治すのかによって、考え方が2通り出てきます。
 皮膚症状を治すことは、治療になります。治療を続けているだけでは根本原因が無くならないので、根本から治る事はありません。根本原因は日常生活の中にあるのですが、その中でも食生活に大きな原因があります。
 アトピー性皮膚炎になる人はアトピー性皮膚炎になるような生活をしているのです。アトピー性皮膚炎になるような生活を変えることによって、根本的な原因がなくなるからアトピー性皮膚炎は治るのです。
 アトピー性皮膚炎になるような食生活をしていると、皮膚が痒くなります。それで掻いていると段々とアトピー性皮膚炎はひどくなってきます。
 又、体の弱い人の場合はアトピー性皮膚炎を治すような食生活をしていても、痒みが出てきます。この場合、掻いてひどくなったとしても、その後に正常な皮膚が現れて段々とをアトピー性皮膚炎は良くなっていきます。
皮膚の状態が段々と良くなって行く過程で出て来る症状があります。それはニキビと蕁麻疹です。ニキビといっても顔に出るものではなく、体のあちこちに出ます。化膿して触ると痛い吹き出物です。蕁麻疹も体のあちこちに出ます。これらの皮疹は出ない人もいます。
 又、治る過程で全身に化膿疹やヘルペスが出て高熱が出る人がいます。高熱が出ると不安になりますが、発熱によって余分なエネルギーが消費されるので熱が下がった時はかなり皮疹が軽くなります。

 アトピー性皮膚炎が治るとは

 アトピー性皮膚炎が治ると言う意味をもう一度確認しておきます。
 アトピー性皮膚炎は生まれながらの遺伝体質により発生していますから、その素質が変わることはありません。治ると言うのは薬を使わない状態で、赤味が無く、痒みが無く、皮膚の乾燥もない普通の皮膚になると言うことです。
 このようにアトピー性皮膚炎が治ったとしても、不自然な日常生活をある期間続けると、アトピー性皮膚炎は再び現れます。
平成26年5月26日
著作 長岡由憲