食養内科

75 ガンになった人の食事療法を行った4人の医者        <<印刷はこちらから

 ガンの食事療法は2つあります。一つはガンにならないための食事療法で、もう一つはガンになった人の食事療法です。
 ガンにならないための食事療法は多くの研究があり、多くの文献があります。ガンになりやすい食品やガンになりやすい食生活、又ガンになりにくい食品やガンになりにくい食生活が詳しく分かっています。
 これから述べるのはガンになった人の食事療法です。ガンになった人の食事療法は殆ど研究がありません。それはガンになった人の食事療法は研究の対象にならないからです。なぜ研究しないのでしょうか。それはガンになったら食事を変えても意味がないと考えているからです。
 どうして意味がないかと言うと、医学の世界ではガンは発生したら、人体の状態とは関係なく、勝手に成長していくと考えているからです。このような考え方があるものですから、ガンになった人の食事療法を研究する人はいないのです。
 それでも運命に導かれてガンの食事療法を研究することになった医者や、ガンになった医者が通常の治療法では希望がなくなり、これも運命に導かれて食事療法を始めて、効果があった人もいます。
ガンになった人の食事療法を行った4人の医者を紹介します。

マックス・ゲルソン

 初めにガンの食事療法の草分け的な人を紹介します。その人はマックス・ゲルソンです。ドイツの医者です。
 ゲルソンも初めからガンの食事療法に興味があったのではありません。ゲルソンは自分自身の病気である頭痛を治すために食事療法を始めました。その食事療法を結核患者に行って効果があったため、その話を聞いたガン患者が、私にも同じ治療をしてくれと頼まれたのです。
 初めの3例がうまくいったため、ガンの食事療法に関しても研究が進めることになりました。
 研究が進み効果を上げて行き、米国に渡って研究しました。そしてその治療効果を認める人も出て、1946年に米国の上院外交委員会で5人の症例を発表する事になりました。元気になった患者も証人として出席しました。症状改善例の報告をしたのですが、その会では評価されず、ゲルソンは米国で治療活動ができなくなってメキシコに移りました。これは1946年のことです。
 ゲルソンは1958年に自分の治療経験と治療理論を書いた「CancerTherapy」と言う著書を出版しました。そして1959年に亡くなりました。
 著書は日本で平成元年に今村光一氏により翻訳され「ガン食事療法全書」として発行されました。

アンソニー・サティラロ

 ガンの食事療法を有名にしたのがアンソニー・サティラロです。サティラロは米国の医師ですが、自分自身が前立腺ガンになったのです。ガンは進行して骨に転移して、医学的には絶望的な状態になりました。偶然にマクロビオティックを行っている人と知り合いになりました。
 その人はマクロビオティックでガンが良くなると言うものですから、半信半疑だったのですが、実行してみました。その結果は不思議な事に痛みが軽くなり、ガンも小さくなり、その後骨の転移も消えてしまいました。それでサティラロは自分の経験を本に書いて出版しました。これが昭和58年に発行された「がん―ある『完全治癒』の記録」です。

星野仁彦

 次にガンの食事療法として登場するのは日本の医者です。それは星野仁彦先生です。
 星野先生は自分が大腸ガンになり、手術をしたのですが、その後肝臓に転移が起こり、絶望的な状態になりました。
 医学的な統計によると、このような場合は5年生存率がゼロ%ということで、5年後に発生患者の全員死亡しているのです。
 その頃、本屋に今村光一氏が翻訳したゲルソンの著書やゲルソン療法を紹介した本が出ていましたので、その本の影響を受けて星野先生はゲルソン療法に挑戦することにしました。
 星野先生はゲルソンの治療法をそのまま行うのではなく、自分流に変更して実行しました。
 その結果に本人も驚いたのですが5年生存を越えたのです。医学の常識を超えたのです。星野流のゲルソン療法が功を奏したのです。それで星野先生は自分の経験を本にして出版しました。
 それが平成10年に出た「ガンと闘う医師のゲルソン療法」です。

済陽高穂

 次に紹介するガンの食事療法も日本の医者です。それは済陽高穂先生です。済陽先生は外科医ですから大勢のガン患者の手術をしました。
 その1人にガンが消えた人がいたのです。その人は肝臓ガンでした。手術でガンが取りきれなかったので、ガンを残したままで閉じて、「肝動注ポート療法」を行いました。しかしその効果は少なく、患者の希望があって自宅療法になりました。それで、患者の余命を数カ月と判断したのですが、予想が見事に外れたのです。
 患者は独自の食事療法を行い1年半後のCT 検査では、取り残したガンがすべて消えていたのです。済陽先生はこの事実に衝撃を受け、食事療法の研究を本格的に始めたのです。
 中でも重視したのが西式を行っていた甲田光雄の食事療法とゲルソン療法を行った星野先生の食事療法です。
 済陽先生は平成20年に「今あるガンが消えていく食事」という本を出版しました。
 4人の医者の体験を紹介しましたが、これらの体験はガンになった人に希望を与えています。
平成26年10月22日
著作 長岡由憲