食養内科

76 水毒を防ぐために                     <印刷はこちらから
 
1)水毒とは
 体に溜まった余分な水分を漢方では“水毒"といいます。
 あなたが日本に住んで感じることは、日本は湿度が高いことでしょう。湿度が高いと、体からの水分の蒸発が少なくなり、そのために体に余分な水分が溜まり易くなります。
 ヨーロッパや米国の気温の低い地方は、空気が乾燥しています。又、地中海の沿岸の国や大陸の国は空気が乾燥しているから、体から皮膚を通して余分な水分が出やすく、余分な水分が溜まることが少ないのです。
 日本はアジア大陸の東側にあり、島国のこともあって、湿度の高い国です。
 したがって、日本の生活は健康のために、体の中に水が溜まらないような生活をしてきました。衣食住において湿気が入ってこないような、湿気をうまく出すような生活です。
 住居においては、木造、障子、高床式というのが、昔からの日本建築の特徴です。衣服においては着物ですが、これは襟とか袖が開いていて風通しが良くなっています。
 又、履き物は下駄、ぞうりでこれも風通しが良くなっています。日本人が健康的な生活をおくるためには、この湿度を克服しなければなりませんでした。
日本の食事も又、体に余分な水分を入れないような料理になっています。

2)水毒の症状
 西洋医学において余分な水分というと、むくみあるいは腹水のような症状を思い浮かべますが、漢方でいう水毒はその前の段階です。
 体内に水毒があるとどのような状態になるかと言いますと
 ①体が重い
 ②体が冷える
 ③鼻水が出る
 ④鼻がつまる
 ⑤風邪を引きやすい
 ⑥めまいがする
 ⑦耳鳴りがする
というような症状が出ます。

3)水毒の原因
 水毒は水を飲むからなるのではありません。水を飲んでいればむしろ、水毒にはなりません。
 水毒になるのは水を飲むべき時に、牛乳を飲んだり、コーヒーを飲んだり、ジュースを飲んだり、ある程度濃度があったり、味がついた飲み物を飲むからです。
 水毒はどういう時に起こるかというと、味の付いた飲料を多く飲むと起こりますが、次の事は水毒になる食べ方の例です。

 ①味の濃い物を食べた時
 砂糖で甘く味付けした物、又塩でしょっぱく味付けした物は味が濃いほど、喉が渇いて水やお茶が欲しくなります。このような時に飲んだ水分は体に溜まるのです。

 ②濃厚な食べ物を食べた時
 油分の多く含まれた物を食べるとこれも喉が渇きます。血が濃くなって水で血を薄める必要が生じるのです。このような水分も体に溜まります。

 ③食事の量が多すぎた時
 これも血が濃くなり、喉が渇き水分が欲しくなります。このような水も、体に溜まって水毒の原因になります。

4)どのようにして水毒を防ぐか
 水毒を防ぐためには食べ物を変える、住まいを変える、衣服を変える、履き物を変えるという方法がありますが。適度な運動をして少し汗をかくのも良い方法です。
 水毒を防ぐために、第一に食べ物、飲み物を気をつけることが大切です。薬草茶、ハーブティーも量を多く飲むと水毒の原因になります。
 単なる水でも飲み過ぎると水毒の原因になります。例えぱアルカリイオン水とか還元水とか、又水飲み療法のような、水を飲んで健康になる治療法がありますが、これらの療法は、概して多量の水を飲むように指導するため水が欲しくないのに、無理をして水を飲みます。そうすると体の中に余分な水が溜まり、水毒の症状が出てきます。

5)水毒になり易い食べ物についての注意
 ①菓子類
 菓子はでん粉に、砂糖や、塩、油を使ったものが多いので食べ過ぎに注意しましよう。

 ②果物とドライフルーツ
 最近の果物は、甘くなりました。果糖が多いので食べ過ぎに注意しましょう。ドライフルーツも甘くて水毒の原因になります。

 ③コーヒー
 コーヒーは、1日に10杯とか、それ以上飲む人がいますが、飲み過ぎに注意しましょう。ミルクやクリーム、砂糖にも注意しましょう。

 ④健康茶
 薬草やハーブを煎じた液を、多量に飲む人がいますが、病気がなければ無理に飲むことはないでしょう。

 ⑤油を多く使った外国風の料理
 美味しいので、食べる回数が多い人がいますが、これは食べ過ぎると水毒だけでなく、生活習慣病を起す原因にもなります。

 ⑥大量の水
 水飲み療法は体質が合う人は、それによって健康になりますが、体質の合わない人は、水を飲むことによって健康が崩れてしまいます。痩せ型の人は特に注意して下さい。

 ⑦冷たい食品
 冷やして食べた方が美味しいような物は、水毒の原因になり易いものが多いようです。又、冷たい食品が体の中に入った時は、体が冷やされて血液の循環も悪くなり、水毒の原因になります。
 水毒になり易い人は温めて美味しくなるような物を多く食べた方が良いでしょう。


平成27年1月5日
著作 長岡由憲