食養内科

6 生態学的栄養学の価値を認識させられた      印刷用PDFはこちらから>>
 
 生態学的栄養学は日野厚先生が研究の結果到達した一つの境地です。しかし、研究の半ばで倒れてしまいました。私は日野先生の仕事を継いだため、生態学的栄養学を学ぶことになりました。以前にアトピー性皮膚炎患者が全国から来たことがあり、この時に生態学的栄養学の価値に感動しました。その後、ガン患者が全国から食事療法の勉強に来て再度、感動しました。

 生態学的栄養学はガンにも効果があるのでしょうか。私は分からないまま食事療法の指導をしてきかしたが、最近段々と分かってきたことがあります。生態学的栄養学がガンに効果があるとすれば、殆どの病気に効果があることになります。これは気晴らしことです。生態学的栄養学の特徴ですが、生態学的栄養学は伝統的食生活と現代栄養学の両方を取り入れてあると言っております。そのような抽象的なことを言っても理解に苦しみます。

日野先生と他の玄米食の指導者と違う所はどこでしょうか。
日野の場合は桜沢流のマクロビオティックで画期的に体カが向上し、健康を取り戻しました。しかし、それを続けるうちに、又画期的に体調を崩し、不健康になりました。桜沢流の玄米食で健康になり、又同じ玄米食で不健康になったので、良くなったことも悪くなったことも両方を経験したのです。この点が、他の玄米食を指導する人とは少し違うところです。
多くの玄米食指導者は、玄米食で良くなったことしか経験していません。だから、玄米菜食が正しい食事であると言うのです。実はこれが間違っているのですが、玄米菜食で良くなった経験しかない人は、もう絶対に良いと思い、信仰に近いものになるのです。
 玄米菜食をいい加減に実行している人は、大きな問題が起こりませんが、日野厚のように玄米菜食(マクロビオティック)を頭にバカが付くほど真面目に実行すると、その結果は悲惨なものになるのです。マクロビォティックを忠実に実行することによって良くなった体が段々と悪くなり様々な病気が出るのですが、その原因が分かりませんでした。この苦悩の時代の後、生態学的栄養学にたどり着くのです。
 結局、たどり着いた所はご馳走食でもなく粗食でもなく、ほどほどの適量の栄養学でした。だから最終的に何を言っているのか分からないようになりましたが、ある意味真理に近づいた言うことができます。
このストーリーはお釈迦さまが悟りに到達した過程と似ています。お釈迦さまは生まれた時から何一つ不自由のない豊かな生活をしていました。その人が真理を求めて苦行体験を始めたのです。お釈迦さまが苦行を止めた時、仲間の苦行僧たちは耐えきれずにあきらめたのだと思いました。
 お釈迦さまは、その後村の娘から乳粥の供養を受け、深い瞑想に入り悟ったと伝えられています。
日野の家も裕福な家庭であり、食べ物も砂糖の多いものをよく食べていました。ご馳走食が多かったと思われます。したがって粗食を食べることによって体質改善に効果があったことは十分理解できるのです。アトピー性皮膚炎に効果があり、ガンに効果があると言っても、その人の理解力、実行力によって効果が影響されますから、効果はどうかと言われてもはっきり答えることはできません。例えばアトピー性皮膚炎について言うと、以前に多かった食生活の特徴は、動物性蛋白質の過剰でした。牛乳や肉類が多く野菜類が少ないタイプの人です。このタイプは血液の抗体も多くなりアレルギー病になります。
最近多くなったのは油や砂糖の過剰で蛋白質は足りないタイプです。食品としては菓子類、果物、パン類を食べ過ぎています。このタイプは一種の栄養障害と思われます。自分のアトピー性皮膚炎がどのような原因で起こっているのか、問題点を探しそれを改善することによって効果が出るのです。
 ガンについて言うと、現在多くなったガンのタイプは栄養過剰です。大人は体が出来上がっていますから過剰の蛋白質は人体にとって邪魔になります。又大人は子供に比べると運動量も少なくなりますから余分のカロリーも邪魔になります。
そうすると、少なく食べるようにすればよいかというと、ガンは人が食べた物をそのまま食べているのではなく、人体の内部にあるもの食べているのですから、少なく食べて栄養が足りないと、ガンの方が勝ってしまうことになります。
ガンの食事療法と言うのは、自分が生きるための必要最少量を食べて、ガンの方へ栄養分が行かないようにすれば良いのです。元気になるためにしっかり栄養を取ろうとご馳走的なもの食べると、自分は元気になりますが、ガンの方はもっと元気になる恐れがあるのです。
ではガンに栄養をやらないために、粗食にしようとしたら、ガンが弱る前に自分の方が先に弱ってしまう恐れがあるのです。
自分は弱らないようにして、ガンは弱らせたい食事内容を実行しなければならないのです。これなかなか難しいことと言えるでしょう。
食養内科に入院して食事療法を学習し、その後元気になった人は自分の問題点に気がついて、それを早急に改善されたのだと思います。
最近の日本においては、物は豊富にあり、情報も豊富にあります。一体どの情報が正しいのか判断に迷うのですが、体質は個人個人でみな違います。
経過が良い人の方法を真似て良くなることがありますが、真似て良くならないこともあります。
 生態学的栄養学では固定した健康食は無いと言うのですから困ってしまうのですが、日本は歴史の長い国です。伝統的な文化が日本人に合っていますので、伝統的な日本食を参考にして、自分の健康食を見つけていけば、治りにくい病気も克服していくことができると思います。


食養内科が本年3月31日で閉鎖することになりました。食養内科通信は毎月発行するつもりでしたが、予定通りにいかず残念な結果になりました。今回をもって終了させていただきます。

 

                                                                                         平成27年3月10日
                                                        著作 長岡由憲