アトピー性皮膚炎を食べ物から見ると

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1、多く食べ過ぎている食品

① 動物性食品
 牛乳
③ 肉類

④ 一つの食品の過食

⑤ 油、ピーナッツ
⑥ 砂糖
⑦ 果物
⑧ 香辛料
⑨ 食塩
⑩ ヨーグルト
⑪ もち米

 

 2、どんな食品を食べたら良いのか

① 主食(米、麦、あわ、きび、ひえ)
② 玄米、白米、低アレルギー米
③ 副食
④ 主菜と副菜
⑤ 緑黄色野菜
⑥ 小松菜

⑦ ニンジン
⑧ 海藻
⑨ 魚
⑩ 豆腐
⑪ ゴマ

  3、調理法

  4、最後に

 

アトピー性皮膚炎の原因を食べ物の方から考えてみました。

  食べ物の方からアトピー性皮膚炎を考えた場合に何が原因になっているのでしょうか。食物に関しても、いろいろな説が有ります。食物アレルギーが原因であるとか、食品添加物の科学物質のようなものが症状を悪化させるとか、水の質が悪くなったとか、何か特定のものが原因になっているという説があります。わたしが食事療法を行いながらアトピー性皮膚炎を治療して思うことは、特定のものもあるでしょうが、多くの食品が関与しているように思います。

 

1、多く食べ過ぎている食品

  ① 動物性食品

 アレルギーを起こす食品として一番初めに考えるのは動物性の食品です。動物性蛋白質の肉類、牛乳、卵のような栄養が良いと言われる蛋白質性食品が、昔からアレルギー源になると言われていました。しかし最近、それだけでは説明できないような患者さんが増えています。

 油類や砂糖類、それから果物、その次に香辛料、こういうものもアトピー性皮膚炎の原因として考えられると思います。

 いろいろな食品がアトピー性皮膚炎の原因になっていることから考えると、何が良い食品だとか、何が悪い食品であると言うよりも、全体のバランスがいいか悪いかが問題になります。

 必要な栄養素を必要な量だけ体に入れれば良いのですが、ある栄養素が多く、ある栄養素が足りない状態が続くと、アトピー性皮膚炎の素因をもった人はアトピー性皮膚炎になります。また喘息、鼻炎などのアレルギー症状が起こりやすい状態になります。

 これが悪い食品だというものが分かれば、それをやめればいいのですが、これが悪いという一つの食品が出て来ない場合は困るのです。その場合、どうしたらよいのか分からなくなります。最近の人は〇×思考と言いますか、良いのか悪いのか、それだけが知りたい人が多いのです。

 私がずっと食事療法をやって考えたことは、これは良い食品、これは悪い食品というのは無いのです。一つの食品にはいろいろな栄養素が一緒に入っていますから、一つの食品の中に良い物も悪い物もあるのです。良い悪いということは、要するに体にとって足りないものが良いので、余ったものは悪いのです。

 日本人が高カロリー、高タンパク質を目指して来たのは、低カロリー、低蛋白質だから高カロリー、高蛋白質が良かったのです。反対に、高タンパク質、高カロリーも行き過ぎれば、それは体に悪いものになるのです。そういうことを考えますと、何が良いとか何が悪いとかは、なかなか言いにくく、全体のバランスが良いのか悪いのかが大切になります。

 

 ② 牛乳

 しかしそういうことを言っても分かりにくいですから、問題になる食品をあげてみますと、一番に注意すべきものは牛乳です。牛乳の特徴は便利でたくさん飲めるということです。また調理しないで飲むことができます。栄養的には理想的な食品と言われてきました。私も多く飲みました。多く飲み過ぎることによってバランスが崩れるのです。本来、大人がそんなに多く飲むものではないと思いますが、子供にしても牛乳を多量に飲む必要はないのです。牛乳をたくさん飲み過ぎて、アレルギー体質になっている人を多く診ました。

 

  ③ 肉類

 肉類に関しても良質の蛋白質と言われていますので、肉を食べていれば元気になるという考えの人は多いのです。肉をたくさん食べるとアレルギー体質になりやすいのです。

 蛋白質は必要以上に取るものではないのです。蛋白質は足りないと体が出来ないし、体の働きが低下しますが、多すぎると排泄が大変なので、腎臓病とか、皮膚病になる恐れが有ります。

 蛋白質は体にとって異物になりアレルゲン(抗原)になりやすいのです。アレルギー物質に対する抗体も蛋白質ですから、蛋白質をたくさん摂ると抗体が増加してアレルギーになりやすいと考えられます。肉類、卵、乳製品、そういう動物性蛋白質が、第一にアレルギーを作りやすいものになります。アレルギーの病気と言いますと、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹が代表ですけれど 動物性蛋白質を多く取るとそういう病気になりやすいのです。

 最近、アレルギー疾患の中でも、特にアトピー性皮膚炎が多くなっています。アトピー性皮膚炎がアレルギー反応だけで起こっているのか、それとも、アレルギー反応以外のことで起こっているのかという問題があります。

 漢方医学ではアレルギーの状態は水毒があると考えています。鼻炎の鼻水、アトピー性皮膚炎の浸出液。これらは体の中に余分の水が多い状態です。反対に皮膚が乾燥してかさかさになるというのもあります。この状態は漢方で血虚と言います。

アトピー性皮膚炎には種々の症状があり、すべてこれをアレルギー反応と考えていいのかという事があります。例えばアレルギーの抗体である免疫グロブリンE(IgE)の値が上がらない人がいます。IgEがまったく正常でもひどいアトピー性皮膚炎というのもあります。したがってアレルギーのメカニズム以外のことでアトピー性皮膚炎になることも考えられています。

 

  ④ 一つの食品の過食

 わたしが食事療法を行って、食事との関係を見てますと、偏った食べ方が問題であると思います。ある食品が多くある食品が少ない、特にある食品が多いというのが問題です。

 一つの食品を多く食べているとその食品のアレルギーになります。アレルギーにならなくても、一つの食品を多く食べることは、不自然なことです。どうしても栄養が偏る訳ですから、これで体の変調を来すということになります。アトピー性皮膚炎も一つの体の変調であると考えれば良いのです。食べ物の内容がおかしいための変調です。これが基盤にあり自律神経系やホルモンのバランスを崩した所に、たとえば環境抗原のダニとかホコリとかが加わって、発病すると考えた方が良いのではないかと思います。したがって食物というのは直接的な原因ではなくて、背景的な原因と考えています。

 

  ⑤ 油、ピーナッツ

 そう考えていきますと、いろいろな食べ物がアトピー性皮膚炎を引き起こす原因になるのです。どういうものがあるかと言いますと、一番気になっているのは油です。最近は非常に油の摂取が多くなりました。これが体に入ってどういう影響をしているか。油というものは単なるカロリー源ですからビタミンもミネラルも乏しいのです。

 油の料理と言いますと、天麩羅とか、フライ、マヨネーズ、ドレッシングの野菜サラダ、ピザやスパゲッティ等があります。中華料理、フランス料理も油をよく使います。

 ピーナッツは健康にいいと思って食べている人がいますけれど、油が多いですから、体にいいからと言ってたくさん食べると危険です。

 スナック菓子も油を使ったものが多いですから気をつけてください。

 

  ⑥ 砂糖

 砂糖は甘くて欲望を刺激し、現代人に好まれている食品です。砂糖は菓子類や飲料水に多く入いっていますが、家庭の料理や外食の料理にも砂糖が使われています。また加工された食品には隠し味として入っています。したがって非常に多く食べられています。

 砂糖は食品としては調味料としての価値が高いでしょうが、栄養的には単なるカロリー源で蛋白質も、ビタミンもミネラルも殆ど含んでいませんから多く取ると栄養のバランスを狂わせます。

 食養内科では砂糖を使わないで料理をしています。砂糖の入った間食もアトピー性皮膚炎の時は控えるように指導をしています。

 

 ⑦ 果物

 果物は体に良いからと言って、せっせと食べている人が結構多いのです。すっぱい果物が減って、甘い果物が多くなりましたから、いくらでも食べられます。

果物も糖分が多く、ビタミンCがあるとしてもビタミンCだけを食べる訳ではないので、多量の糖質を食べることになります。これが問題なのです。果物は菓子と同じような嗜好品考えて、ほどほどにしておきたいものです。果物をたくさん食べると、ご飯が食べられなくなります。果物の取り過ぎに注意しましょう。

 

 ⑧ 香辛料

 香辛料を食べ過ぎるとアトピー性皮膚炎らしくないアトピー性皮膚炎になります。なんとなく痒いとか顔が火照るという症状になります。ワサビ、カラシ、唐辛子。こう言うものを食べ過ぎると、なんとなく熱に弱い皮膚になります。血液検査では異常が出ませんから用心してください。

 

 ⑨ 食塩

 塩は基本的には体に必要なものです。塩は“にがり”の入った自然塩が体に良いのです。それが本当の塩なのです。塩化ナトリウムだけではない自然塩を取ってほしいと思います。塩はおいしいものです。多量に取ると体に水を溜めるために、水毒となり症状を悪化させます。しょっぱい漬物をたくさん食べるとか、何にでも醤油をたっぷりかけるとかは止めていただきたい。食塩の摂取量は一日平均10グラム以下にしましょう。

 

 ⑩ ヨーグルト

 ヨーグルトも健康によいと言うことで毎日食べている人が多いのですが、最近のヨーグルトは砂糖を入れたり果物を入れたりして非常に甘くして、ヨーグルトの良さがなくなっています。砂糖が多く菓子類になっていますからこれをたくさん食べますと、健康になるどころか不健康になる恐れがあります。

 プレーンヨーグルトもアレルギーの人は量を考えて食べてください。

 

 ⑪ もち米

 玄米もちは、体に良いと思って食べている人、又せんべいは菓子の中では割りと無難であると思って食べている人がいます。たしかに比較的良い食べ物にはいると思いますが、問題は食べる量です。

 もち米とうるち米ではもち米の方が甘くておいしいのです。もち米を主食にせず、うるち米を主食にしたのはやはり意味があるでしょう。玄米もちにしても白米のもちよりは良いでしょうが、アトピー性皮膚炎がひどい場合は、しばらく止めたほうがよいでしょう。

 又、もち米で作ったせんべいもアトピー性皮膚炎がひどい時は、毎日食べるのではなく、回数を減らすとか、量を少なくして下さい。

 

2、どんな食品を食べたら良いのか

  控えるものばかり話すと、「食べるものがない」と言われそうなので次にどういうものを多く食べたらよいかを話します。 どういうものを食べれば良いかというと、栄養的に足りないもの、現代人に少なくなったもの、昔はよく食べていたけれども現在は、食べなくなったものを食べればよいのです。

   ① 主食(米、麦、あわ、きび、ひえ)

 主食から言いますと、日本人は米、麦、雑穀を昔から食べて来ました。主食になるものはこういうものが良いのです。穀物と言われるものです。出来るだけ、パンとかめん類ではなく、米のご飯を食べるようにして頂きたい。1日3食たべる人は2食をご飯にして、1食をパンか麺にすることを薦めています。アトピー性皮膚炎の人で除去食療法をやっている人は、アワ、キビ、ヒエを食べている人がいますけれど、雑穀類というのは、日本の気候風土に合った植物です。

 米は南方から入ったもので、麦は北方系のものです。日本はずっと米中心の食生活をやっていますけれど、米を中心に麦や雑穀を加えて主食として頂きたい。

 

 ② 玄米、白米、低アレルギー米

 米については玄米がいいか、白米がいいのかという問題があります。アトピー性皮膚炎の人に玄米が良いという人と、玄米は良くないという人がいます。アトピー性皮膚炎のひどい場合、低アレルギー米という精白度を強くした米を食べている人もいます。

食養では玄米を薦めますけれど、栄養を分析してみますと、玄米と言うのは非常に幅広い栄養素を含んでいます。三大栄養素のほか、ビタミン類、ミネラル類、繊維までありますので、人間の生命力を上げるという意味においてはいい面をもっています。繊維が多いということで便通は良くなりますが、消化吸収が悪いということもあります。すべての人に玄米が良いという訳にはいきません。

 アトピー性皮膚炎を治す場合、何を治すのかを考える必要があります。皮膚病を治すのか(部分・表面)、体を治すのか(全体・内部)ということになります。アトピー性皮膚炎と言うのはある面から見ると、体の中の矛盾が皮膚に出ているという状態ですから、皮疹が出ることは体にとっては悪いこととは言えないのです。しかし、皮膚症状が出ることは、現実問題として大変困るのです。

 皮膚症状を出すべきか出さざるべきかという問題がありますけれど、玄米を食べると、どちらかと言うと出る傾向になります。ほとんどの人は出ないのですけれど、中に出る人がいます。ですから玄米は危険であるという説も正しいのです。

 したがって白米にしたり、あるいはもっと精米して低アレルギー米にすれば、皮膚病は出にくくなります。しかし体力がつきません。元気に成れない。アトピー性皮膚炎にはいいけれど、元気に成れないという面も持っておりますので、米を白米にするか玄米にするかを考える場合、その症状に応じて、胃腸の強さに応じて、考える必要があると思います。

健康人の場合は、胚芽米、五分搗米ぐらいを薦めています。アトピー性皮膚炎を治そうという場合は、玄米が食べられなければ白米に麦を入れるとか、白米に雑穀を入れるとかするのも一つの方法だと思います。玄米を1日1食たべるのもよいでしょう。いろいろな方法があると思いますけれど、基本的には伝統的な日本食を薦めています。

 

  ③ 副食

 次に副食ですけれど、日本の伝統的な食事は主食に汁と漬物がつきます。汁と漬物はどちらも塩分を含んでいます。それが米と合うのです。米と塩はバランスのいい組み合わせなのです。みそ汁にいろんな具を入れます。各地方にいろんな具を入れたみそ汁があります。みそは大豆を使いますので、大豆のタンパク質が取れて、アミノ酸のバランスがよくなります

 

  ④ 主菜と副菜

 副食は主菜と副菜があります。主菜は魚、大豆製品、豆腐、卵などです。副菜は野菜、海草、きのこなどです。

 

  ⑤ 緑黄色野菜

 よく取ってほしいものは緑黄色野菜です。緑黄色野菜の代表的なものは、小松菜、ホウレン草、ニンジン、カボチャです。特に緑の濃い葉っぱが良いのです。キャベツ、レタス、キュウリ、トマトのような、淡色野菜ばかりを食べるのではなくて、緑の濃い葉っぱの野菜を、毎日食べて頂きたい。

 

 ⑥ 小松菜

小松菜の場合は、お浸しにするとか、野菜ジュースにするのが良いでしょう。葉緑素を含み、カルシウム、鉄の多い小松菜、これがアレルギーにたいして威力を発揮するようです。

 小松菜はアトピー性皮膚炎だけでなく、にきびにも効果があります。

 

  ⑦ ニンジン

 ニンジンは積極的に食べて頂きたい。生で食べると効果が上がります。たとえばニンジンおろしが有ります。ニンジンジュースにすると甘くておいしく頂けます。小松菜、ニンジンは、食養内科では非常に多く食べています。

 

 ⑧ 海草

 海草類も毎日何か一種類は取ってほしい。代表的なものは、昆布、わかめ、のり、ひじきがあります。わかめのみそ汁、昆布を使った料理、ひじきを煮物、朝ご飯にのりをつけて食べるとか、いろいろな食べ方があります。海草はミネラルの宝庫です。カルシウム、マグネシウム、ヨウ素が多いです。

 現代人はミネラル不足が大きな問題点になっていますけれども、海草は現代人にはかかせない食品です。

 

 ⑨ 魚

  魚は小さい魚を薦めています。小さい魚は全体を食べますから、骨も食べてカルシウムの補給になります。食養内科では毎日小松菜のおひたしにちりめんじゃこを一つまみふりかけて食べています。頻回に食べるのはあまり塩からくない小魚が良いでしょう。

 切り身魚の場合は、白身の魚を薦めます。アレルギー症状が強い時は赤身や青身の魚より、白身の魚を多く食べるようにしましょう。

 

 ⑩ 豆腐

 大豆は蛋白質に富んだ豆で、“畑の肉”と言われています。栄養学では動物性の蛋白質が良質で、植物性の蛋白質は内容が劣ると考えられていましたが、最近の研究では大豆の蛋白質はアミノ酸のバランスが良く、肉と同等の価値があると考えられるようになりました。

 日本人は大豆を味噌にしたり、納豆にしたり、豆腐にしたりして食べて来ました。豆腐は冷や奴や湯豆腐にしてそのままでも食べますが、豆腐を材料にしていろんな料理ができます。

 いいからと言って豆腐ばかりを食べることはやめてください。多く食べ過ぎると良い食品が悪い食品に変わります。何でもほどほどが良いのです。食事療法を実行することによって、ほどほどを理解していただきたいと思っています。

 

 ⑪ ゴマ

 ゴマは油の多い食品ですが、蛋白質の外にカルシウム、鉄など現代人に不足しているミネラルを多く含んでいるので、食養内科では良く使う食品です。植物性食品の多い人は、ゴマの蛋白質を入れると、米の蛋白質、大豆の蛋白質と一緒になってアミノ酸のバランスが良くなるのです。ゴマは油が多い食品ですから、食べ過ぎると、カロリーが過剰になり、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因になりますから注意してください。

 

3、調理法

 日本食の調理法は油をほとんど使いません。ご飯は炊く。それから 野菜などは煮る、あるいはゆでる、蒸す。魚は焼くか煮る。油をつけないで焼く。炭火で焼く。なぜ油を使わないか。これは、気候、風土という環境と関係しています。寒い地方ではカロリーを多く取る必要があります。暑い地方は少なくてすむのです。タンパク質に関しても寒い地方は多く食べます。暑い地方は少なく食べます。日本はいくらか温暖というような地域に入っていますのでヨーロッパのような寒い地方のまねをすると、いろいろな病気になりやすいということになります。

 

4、最後に

 アトピー性皮膚炎になって悲しんでいる人、あるいは嘆いている人、また自分の運命を悲しんでいる人がいると思います。いろいろな治療をしても、思うような効果が上がらず、芯から治らないということで、絶望感を感じたり、悲嘆に暮れているという人がいるかもしれません。しかし、そう思うのはもう少し待ってください。アトピー性皮膚炎は自分の生活や、考え方を変えることによってひとりでに治って行くものです。自然に治って行くものです。

 皮膚科の先生に、治らないと言われたかもしれませんが、皮膚科の先生はアトピー性皮膚炎を、治してあげようとしているから、そこに問題があるのです。医者だから、治してあげようとするのは当たり前ですけど、治してあげようという考えでいくと、どうしても対症療法になるのです。対症療法では、皮膚のつらさを一時的に軽減させることはできますけれど、アトピー性皮皮膚炎にならない体にすることはできません。

 私も、以前は治してあげようという気持ちで治療していましたが、最近は、本人に治す努力をしてもらって、治してあげようというより、治す方法を指導しているという気持ちの方が強いのです。

 もちろん対症療法も行いますけれど、対症療法と併用して、本人の自覚を促す努力をします。どうしてアトピー性皮膚炎になっているのか。何が原因でアトピー性皮膚炎になっているのか。食べ物なのか、ダニなのか、あるいは心の問題なのかを考えて頂くのです。

 アトピー性皮膚炎は多因子による病気です。多くの原因が重なって起こる病気です。治す努力をして行くうちに、その原因が一つ一つ見えてくるのです。食事療法をやっていますと、食事の問題、あるいは心の問題、そして環境の問題、そういうものが一つ一つ見えて来ます。

 慢性病は体質が関係していますけれど、体質があったとしても、日々の生活を改めることにより、症状は軽快して行くものです。食事療法は1食2食では効果がありませんが、1週間、2週間、あるいは1カ月、2カ月、3カ月と日が経つにつれて、効果は非常に大きくなります。

 自分の中にある力を信用し、食べ物を感謝して頂き、ゆっくりとよく噛んで自分のものにしていき、それにより体力を向上させ、希望をもつことが、遠廻りのようですけれども、アトピー性皮膚炎を治す近道だと思います。

平成168

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