アトピー性皮膚炎の養生法

食養内科部長 長岡由憲


 松井病院食養内科では、アトピー性皮膚炎に対して次のような考え方で治療しています。

 アトピー性皮膚炎を皮膚病と考えて皮膚だけの治療をしていると、いつまでたっても皮膚病が治りません。アトピー性皮膚炎は全身病で、全身の問題が皮膚に現れているのです。ですから現実面では皮膚病なので、皮膚の治療をすればよいのですが、皮膚の治療だけで治らない人は、全身の治療をする必要があるのです。

 食養内科に来院される人は治らなくて困っている人ですから、皮膚の治療だけでなく全身の治療をするのです。全身の治療には食事療法がよく効くのですが、これには私も驚いています。

 アトピー性皮膚炎が治らなくて困っている人は、ぜひ食養内科がおすすめする食事療法を行ってみてください。食事療法と言っても除去食療法ではありませんから、栄養失調になることはありません。一言で言うと日本人向きの食生活です。食材の選択から、調理の仕方、食べ方、噛み方まで気を配っています。

 以下の文章ではアトピー性皮膚炎を、皮膚症状(外部の問題)と偏った体質異常(内部の問題)に分けて、治療の方法を説明しています。
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INDEX


1,長くかかって出来たものであるから,気長に治す。

2,長時間の症状を短期間に治そうとすることは,人体の生理的法則を越えており,別の障害が起こる恐れがある。

3,ある食品を食べて,皮膚症状が悪化した場合,その食品は一時避けるようにする。

4,主食の米,麦は,原則として食べる方針で治療している。

5,成長期においては,湿疹をすべてなくそうと過度の食事制限をすることは,危険である。

6,カロリーの多いもの(甘いもの,油こいもの)は症状を増悪させる恐れがある。

7,一つの食品だけを特別多く食べることは,その食品のアレルギーになる恐れがある。好きな食品に注意。

8,アレルギー体質の増悪因子を,食事療法の面から見ると,偏食(栄養素の過不足がひどい)が考えられる。

9,加工食品,保存食品,調理済み食品を多く食べることは,栄養のアンバランスにつながりアレルギー体質になりやすい。

10,塩分を少なくする。食塩は,にがりの入った自然塩を使用する。

11,砂糖は食べないほうが良い。食べたい時は黒砂糖か蜂蜜を少量使う。

12,症状の増悪因子と,体質の増悪因子を分けて考えたほうが良い。

13,暖まること,日光に当たること,運動すること等は症状を悪化させるが,体質を悪化させるのではない。

14,症状が軽くなった時は,少しずつ陽に当たったり,適度な運動をして体質改善をしたほうが良い。運動して汗をかいた時はすぐシャワーを浴びる。

15,砂糖,果物類を多量に食べることは,体質も症状も悪化させると思われるので要注意。

16,香辛料,刺激物は症状を悪化させることがあるので,多量に食べている人は少なくする。

17,嗜好品(酒,たばこ,コーヒー,お茶,菓子,果物など)に溺れないように。

18,過食は慎む。腹八分目が良い。

19,便秘をしないように気をつける。

20,海草を常食する。ワカメ,昆布,海苔,ひじき等を毎日食べる。

21,よく噛んで,ゆっくり食べる。形がなくなるまでかみ砕く。

22,原則として風呂に入る。湯船につかり体を暖める。シャワーだけでは不十分。症状に応じてどうするかを決める。

23,気持ちを明るく持ち,思っていることを口に出すよう努力する。



1、長くかかって出来たものであるから、気長に治す。


 これは大切なことなので始めに書きました。なんとかして早く治そう、治そうと努力してこられたと思いますが、その結果いまだにアトピー性皮膚炎を持っているのです。治らないと余計に気持ちが焦ってしまいます。これでは悪循環です。焦ることは交感神経優位になり皮膚症状は出やすくなると思います。

 どんと構えて「治るまで待とうホトトギス」という気持ちでいる方が、アトピー性皮膚炎は出にくいのでしょう。今までいろいろなことをして、治らないものですから、心配と不安で頭がいっぱいになり、余計に気持ちが焦るのですが、「ここまできたのなら仕方がない。じっくり食事療法でもやってどうなるか、これにかけてみよう。」というような気持ちでいてもらいたいと思います。

 食養内科の食事療法はアトピー性皮膚炎を治すと言うより、からだ全体の異常を改善することが出来ますから、からだの異常が少しずつ改善されてくると、アトピー性皮膚炎も少しずつ改善してきます。気を長く持ちゆったりとした気持ちになることは副交感神経優位になり、食べたものが良く吸収され長い目で見た場合、良い結果をもたらすでしょう。



2、長期間の症状を短期間で治そうとすることは、人体の生理的法則を越えており、別の障害が起こる恐れがある。


 例えばステロイド軟膏のようなものは、短期間でアトピー性皮膚炎の症状が改善しますが、後になって副作用やリバウンドなどの困った状態になります。

 困った時の一時しのぎのためには強い薬を使ってもかまわいませんが、根本的に治そうとする場合、体質の異常を正常に変える訳ですから、成長期すなわち子供の頃は割りと早く良くなりますが、成人になってからは、体質改善も時間がかかります。時間がかかりますが食事療法を行っていれば確実にからだの質が変わってきます。時間をかけてからだを変えていけば、副作用もなく自然な形で体質改善が可能になります。



3、ある食品を食べて、皮膚症状が悪化した場合、その食品は一時避けるようにする。

 アトピー性皮膚炎を持った人が、何かを食べて皮膚症状が悪化した場合、その食品に何か原因があることが考えられますが、その時は一時中止しておいた方が無難でしょう。体質が変われば、又食べられるようになると思いますから、心配することはないでしょう。



4、主食の米・麦は原則として食べる方針で治療している。


 米・麦は日本人が大昔から食べてきたもので、主食として重要な食品ですから原則としてこれを食べる方針で治療しています。米のアレルギーがあると言われた人に、米を少しづつ食べさせてみましたが、それで悪化した例は今のところありません。食物アレルギーの考えでは、米・麦を食べて悪化した場合、これが米・麦の蛋白質が原因だといって食べないようにしていますが、これはアレルギーではなく、体の中にある余分なエネルギーが刺激されて痒みとなり、あるいは紅斑となって、アトピー性皮膚炎の悪化のように見えると考えて良いでしょう。悪化した時に一時、米・麦を止めることは良いでしょうが食べていても出るものが出たら段々と出なくなります。あまりひどい酷い時は一時止めて良くなったら又食べてみて反応を見たら良いでしょう。



5、成長期においては、湿疹をすべて無くそうと過度の食事制限をすることは危険である。


 赤ちゃんや、小さいころは皮膚病が出やすいものです。それは体質的に敏感であることと、体重が大人に比べて少ないため異常に対する許容量が少ないので、異常に対してすぐ反応することが考えられます。湿疹は体の内部の異常の現れであり、調節作用の一つと考えられるので、皮疹を薬ですぐ押さえるのではなく、しばらくは経過を観ていたほうが良いでしょう。そのうち自然に消えるものです。もし長く続いたり悪化する場合は、その原因を確かめる必要があります。体質的なものであれば生活の中に何か問題点があるはずですから、それを改善することが第一でしょう。病原菌が作用している場合は医者に診てもらって、原因的な治療をする必要があるでしょう。

 食物アレルギーの考えで除去食療法をやっている人の中で、皮膚病を完全に治そうとかなり強い制限食を行っている人がいますが、軽い皮膚病は出しておくぐらいで良いのです。アトピー性皮膚炎が治らないのではないかと心配して、過度に神経質になっている場合にそうなりやすいのですが、アトピー性皮膚炎をそれほど治りにくいものと考える必要はないと思います。



6、カロリーの多いもの(甘いもの、油こいもの)は症状を増悪させる恐れがある。


 カロリーの多い食事をした時は、汗をかくような運動でもしないと体にエネルギーがたまり、アトピー性皮膚炎の体質になります。もうすでにアトピー性皮膚炎が出てる人は、汗をかくような運動をすると返ってひどくなるので運動も出来ませんから、甘いもの、油こいもの、大食など過剰のカロリーを取らないように注意する必要があります。甘い菓子、甘い果物、甘くした料理、油の入った菓子、油を使った料理などカロリーが多くなる食品は、我慢して食べないようにするか、少なくしたほうが良いでしょう。野菜炒め、野菜サラダ、野菜の天麩羅などは体に良いと思って食べている人は多いでしょうがアトピー性皮膚炎のある人は注意する必要があります。運動をやめてアトピー性皮膚炎が悪化した人は多いですから、食べ過ぎはアトピー性皮膚炎の増悪につながると考えた方が良いでしょう。



7、一つの食品だけを特別多く食べることは、その食品のアレルギーになる恐れがある。好きな食品に注意。


 例えば納豆が好きで毎日食べる。野菜であればトマトが好きで毎日トマトばっかり食べるというような食べ方は問題です。ラーメンが好きで毎日昼はラーメンを食べるというのも問題です。会社の近くにおいしい中華料理の店があるので、昼はそこで毎日中華料理を食べると言うのも問題です。一つの食品を偏って多く食べることは、栄養のバランスを崩すことになりアレルギーとは言えないでしょうが、アレルギーに似たような症状になる事が多いのです。



8、アレルギー体質の増悪因子を。食事療法の面から見ると偏食(栄養素の過不足がひどい)が考えられる。


 アトピー性皮膚炎で肉類が好きで、野菜が嫌いという人が時々あります。ご飯が少なく、おかずが多いとか、果物が特別多いとか、偏食にもさまざまあります。どちらかというと動物性食品の過剰、油脂類の過剰はアトピー性皮膚炎の増悪につながると思います。



9、加工食品、保存食品、調理済み食品を多く食べることは、栄養のアンバランスにつながりアレルギー体質になりやすい。


 なぜ栄養のアンバランスになるか。それはビタミン類の欠乏があります。保存のために添加物をいれるとビタミン類は多く必要となるのに、食品のビタミン類は保存加工によって減少するでしょうから、ビタミン不足がひどくなります。



10、塩分を少なくする。塩分はにがりの入った自然塩を使用する。


 塩分を多くすると体の水分が多くなり、過敏体質になり皮膚病が悪化する恐れがあります。普通の塩は精製塩と言って純粋の塩化ナトリウムですから、カルシウム、マグネシウム等のさまざまなミネラルが含まれていません。これは現代人のミネラル不足をもっとひどくする要因になります。にがりの入った自然塩、あるいは海水を古式の製塩法で作った塩を用いると、バランス良く各種ミネラルを取り入れることが出来ます。



11、砂糖は食べないほうが良い。食べたい時は黒砂糖か蜂蜜を少量使う。


 砂糖を食べると体が痒くなる体験をした人があると思いますが、砂糖は低分子の糖質で吸収されやすく血中に入りやすいためエネルギーとなりやすく、余剰エネルギーの多い人にカロリー源になりやすい砂糖を食べることは、痒みを増し、又余剰エネルギーの増加がアトピー体質の悪化を招き良いところがありません。

 ただ砂糖を食べたいとうい欲望は、なかなか押さえ切れるものではないため、むずかしいとは思いますが、皮膚病の悪化を覚悟して食べて頂きたいと思います。

 砂糖を食べたい時は黒砂糖か蜂蜜を使うと糖分以外の栄養分も含まれているので、白砂糖よりは体に良いと思います。



12、症状の増悪因子と、体質の増悪因子を分けて考えた方が良い。


 アトピー性皮膚炎がどうして起こるかという問題になりますが、まったく健康な人がある時、急にアトピー性皮膚炎が出ると言うことはないのです。表面的にはある時、急に出たように見えますが、アトピー性皮膚炎になるような体に長い間かけてなり、ある時点から少しずつアトピー性皮膚炎が出て、出ても問題のある生活を改めないために段々と広がっていくのです。私はアトピー性皮膚炎の基本的問題は痒みであると考えています。痒みが出るからそこを掻く。掻くと赤くなったり、傷が出来たりしてアトピー性皮膚炎らしくなるのです。何かの刺激ですぐ痒くなるような体が問題ですから、そういう痒みを起こしやすい体を作り上げたことが問題です。

 食べ物が豊かになり、大食、早ぐい、高カロリー、高蛋白、嗜好品の摂取過剰、手抜き食の増加等が、体質を悪化させます。又運動不足、休養不足、冷暖房といった生活スタイルの問題が体質を悪化させます。これらが体質の増悪因子になります。

 長期間にわたる生活上の問題が体質を悪化させアトピー発病体質となり、痒みが出てきて立派なアトピー性皮膚炎になります。アトピー発病体質になると、運動や日光が症状増悪因子になり、運動が出来なくなり、日光にも当たれなくなります。アルコールを飲むと体が痒くなり、甘いものを食べたり、油の多い食事をしても痒くなります。これらが症状の増悪因子になります。



13、暖まること、日光に当たること、運動すること等は症状を悪化させるが、体質を悪化させるのではない。


 暖まること、日光に当たること、運動することを適度に行えば、体には良いことなのですが、アトピー性皮膚炎が出ている人にとっては、症状を悪化させるため、避ける必要がでてきます。しかし症状が我慢できる時は運動して、汗が出たらその後すぐシャワーか風呂に入って、汗を流せる状態にしておけば、運動することが出来ます。適度の運動は体質を良くすることができるのです。



14、症状が軽くなった時は、少しずつ日に当たったり、適度な運動をして体質改善をしたほうが良い。運動して汗をかいた時はすぐシャワーを浴びる。


 食事療法を続けていると症状が軽くなっていきますから、症状が軽くなると日に当たることや、運動することができるようになります。長く強い日に当たると危険ですから、弱い日差しの時に短時間、日に当たり、段々と強い日差しの時に当たるようにして皮膚の反応を見ながら日に当たる時間を長くしていった方が良いでしょう。

 運動もはげしい運動ではなく、歩くことから始め、時間を段々と長くしていけば良いでしょう。汗は皮膚の刺激になり痒みを生じますから、汗をかいたらすぐ汗を流すようシャワーを浴びた方が良いのです。



15、砂糖、果物類を多量に食べることは、体質も症状も悪化させると思われるので要注意。


 砂糖は甘いものですが、果物も最近は殆どのものが甘くなり、食べやすいものになりました。現代の人は甘いものを好むので、甘い果物が作られるようになったのです。甘いということは糖分が多い訳ですから、果物の過食も果糖の摂取過剰となり余剰カロリーがアトピー発病体質を作ります。又アトピー発病体質の人が砂糖や果物を食べると痒みが増してアトピー性皮膚炎がもっとひどくなります。

 砂糖や甘い果物類は、健康な人はほどほどにして、アトピー性皮膚炎の人は治るまで一時避けた方が良いでしょう。



16、香辛料、刺激物は症状を悪化させることがあるので、多量に食べている人は少なくする。


 香辛料、刺激物は血管を拡張したり、体を温めるような作用をする食品が多いため、アトピー性皮膚炎の人は、痒みが増してアトピー性皮膚炎を増悪させる恐れがあります。適量食べることは問題ありませんが、香辛料が好きで多量頻回に食べていると顔が赤くなってアトピー性皮膚炎のようになることがあります。又アトピー性皮膚炎になっている人は少なく食べた方が無難でしょう。



17、嗜好品(酒、たばこ、コーヒー、お茶、菓子、果物など)に溺れないように。


 嗜好品というものは生活上の楽しみとしてあるものですが、欲望を刺激するものばかりで、酒を飲むつもりが酒に飲まれ、菓子を食べるつもりが菓子に食べられるといったように、自分の欲望をコントロール出来なくなる人が出て来ます。そうすると楽しいはずのものが苦痛の種になってしまいます。



18、過食はつつしむ。腹八分目が良い。


 腹八分目とはどの位の量を言うのでしょうか。人によって考え方が違うと思いますが、私が思うのは、食べた直後は少し足りないくらいで、しばらくすると何となく満足するくらいの量だと思います。

 いつもいつも満足しない量を食べていると欲求不満が爆発して、ある時いっぱい食べることになりますから、あまりきびしい制限も良くないでしょう。



19、便秘をしないように気をつける。


 便秘の解消には、冷たい水や冷たい牛乳を飲むのではなく白米を玄米に変えるとか、葉の野菜・根の野菜を多く食べるとか、甘い物・果物を減らすとか、脚の運動をするとか、腹のマッサージをするとか、体を冷やさない方法で便通を整えた方がアトピー体質の人には良いでしょう。腸を冷やすと体力のないタイプのアトピー性皮膚炎は回復が悪くなります。便秘がひどければ下剤を服用するのも一つの方法です。



20、海草を常食する。ワカメ、昆布、海苔、ひじき等を毎日食べる。


 海草はミネラルの宝庫です。ヨードが多く含まれていますが、カルシウム、マグネシウム、鉄など現代人が慢性的に不足している重要なミネラルが多く含まれています。ミネラル補給によって栄養のアンバランスが改善されれば、アトピー性皮膚炎を治す力が出て来ます。



21、よく噛んで、ゆっくり食べる。形がなくなるまでかみ砕く。


 なぜよく噛んだ方が良いかという理由ですが、よく噛むことによって消化が進み、蛋白質の分子が細かくなるために、体の中に入ったときに、アレルギー物質になりにくいと言われています。又、活性酸素を研究している人によると、よく噛むことによって、食品に含まれているビタミン類が活動しやすいように分割されて、抗酸化作用を発揮できるため、アトピー性皮膚炎になりにくいということも解って来ました。よく噛んで、ゆっくり食べることはアトピー性皮膚炎を治す上で、非常に大切なことだと思っています。



22、原則として風呂に入る。湯船につかり体を暖める。シャワーだけでは不十分。症状に応じてどうするかを決める。


 アトピー性皮膚炎で風呂に入るのを嫌がる人がいます。シャワーだけにする人です。湯船につかって暖まり汗を流すという習慣は日本の気候に合った入浴法なのです。

 アトピー性皮膚炎もひどくなると、風呂につかってる時は気持ちが良くても、風呂から上がって皮膚が乾いてくると、ビリビリと全身の皮膚に痛みを感じ、すぐ外用薬を塗って処置する人もいます。又、アトピー性皮膚炎で引っ掻き傷が多い人は、湯につかると痛いため湯につかりたくない人がいます。湯に入るかシャワーだけで済ますかは、皮膚の症状にによって決めれば良いのですが、湯につかり体を暖めて皮膚の血液循環を良くすることは、健康維持という面では良いことなので、症状がひどくなければ湯につかった方が良いと思います。垢や汗は石鹸で洗い流した方が良いと言われています。



23、気持ちを明るく持ち、思っていることを口に出すよう努力する。


 アトピー性皮膚炎の人で、自分の病気が治らないのではないかと悩んだり、自分の言いたいこと、やりたいことを我慢して、自分の主張がうまく表現できない人がいます。

 気持ちを明るく持つとは、物事の悪い所だけ見ないで、良い所も見るようにして、希望を持って生活することです。食事療法は病気の体を少しづつ改善して行きます。体がある程度変った時、症状の変化がきます。症状が少し軽くなります。症状は直線的に良くなるのではなく、段階的と言いますか、波のように山と谷をもって、良くなったり悪くなったりしながら、段々と良くなっいくように思います。坂を登るように徐々に良くなることもありますが、ゆるやかな階段を上がるように横ばいの状態が続き、ある時階段が一段上がるように急に良くなることもあります。

 性格を明るく持つと自律神経系・ホルモン系が活発になり、治癒力が向上すると思われるからです。気持ちが落ち込むと、ホルモンの分泌も落ち込むような感じで治癒力もわいてこないような気がします。

 しかし、今まで治らなかったのが、本当に治るのだろうかという不安がありますから、治るという確信がないと本当の希望が出て来ません。食事療法をやっていると段々と希望の光が見えてくるものです。

 光が見えてきた時、やっと自発性や積極性が出てくると思います。

 希望が出て、少しでも自信がつけば自分の素直な気持ちを主張するようになり、良い方向へ行くと思います。


プロフィール

 昭和23年生まれ。鳥取大学医学部を昭和49年に卒業。岡山大学医学部第2内科を経て、昭和52年北品川総合病院に勤務。
 昭和53年松井病院に食養内科を初代部長日野厚とともに創設する


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