貧血と血虚

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 どちらも似たような意味で紛らわしいのですが、微妙に意味が違います。時に貧血がなくても血虚の人もいます。 どちらも「血が足りない」と言うような意味ですが、もう少し詳しく言うと、貧血は「血が薄い」、血虚は「血が少ない」と言うような感じになります。

    という言葉は日常で使われますが、西洋医学の言葉として使われます。貧血の代表は鉄欠乏性貧血です。また出血が多い時にも、おなじ状態になります。つまり貧血とは、赤血球が足りない、少ない或いは、赤血球の中にある血色素が少ない、足りないという意味になります。もっとも、からだ全体の血の量を測る訳には行きませんので、実際に検査では、血液を採取して1mm3の血液中に赤血球が何個入っているか、また1dlの血液中に何グラムの血色素が入っているかを調べています。したがってこれは、赤血球や血色素の濃度を測っている事になります。出血した時、なぜ血の濃度が薄くなるかと言うと、出血した時は、血液の容積が少なくなるので、これを早急に元に戻すために、血管外にある水分が血管内に移動するからなのです。


  一方、血虚漢方、中医学の言葉です。漢方では体の要素を気・血・水と分けますから、血は体を養っている栄養成分全体の意味になります。血虚とは栄養成分全体が少ない、或いは足りないという意味になります。

    血によって血虚が起こることは少なく、主として血を作る方に問題があって起こります。血を作る材料は食べ物です。食べ物の内容に問題があると、うまく血が出来なくて血虚になるのです。つまり、栄養状態が悪いと言うことです。血の状態を説明すれば、血の中の栄養成分が薄いと言うこともありますが、もう一つとして、血の量が少ないという状態になります。血の量が少ない場合は、血液検査をしても、貧血が出ないことがあり、低血圧という病状で診断されることが多いのです。

    虚になる人の食生活の特徴ですが、特に注意していただきたい食品は果物でしょう。果物は健康に良いと思って、食べ過ぎている人が多いからです。今の果物は甘みが強くなり、酸味が少なくなりました。甘い果物は水分と糖分が主ですから、穀物の代わりにもならないし、野菜の代わりにもなりません。他には、嗜好品も要注意です。嗜好品は楽しみとしての価値で利用すべきで、摂りすぎると健康を害することになります。

平成15年1月21日 食養内科 長岡由憲
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