「赤本」のはなし

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 今、赤本をインターネットで検索すると大学入試過去問題集が出てきます。私がこれから話す赤本は昔の赤本です。

 昔の赤本は家庭医学書です。築田多吉(つくだたきち)という旧海軍衛生大尉によって書かれた「家庭における実際的看護の秘訣」という題名の本です。本の表紙が赤いので著者自身が赤本というニックネームをつけて出版しました。

 私は若い頃、この本を買って今でも持っています。民間療法のバイブルと言ってよい本です。少し前に、この赤本を食養内科に通院している人に紹介しました。その人は過敏性腸症候群で長い間、便秘で困っていました。食事療法と漢方薬で、症状が改善し希望が出たのですが、良くなると、もっと良くなりたいと欲が出るものです。それで私はこの赤本を紹介したのです。

 ところが、後で分かった事ですが、この赤本はもう売られてないのです。それでこの人とは古本を探して、インターネットで見つけ手に入れたようです。私はこの本がもう売られてないことにショックを受けました。この本は慢性病で苦しんでいる人にとって、今でも役に立つと思っていたからです。

 インターネットで調べてみると山崎光夫氏が“「赤本」の世界”という本を書いておられます。その中から「赤本」について説明するとこの本は大正十四年(19252月に出版され、200010月刊行本は、1617版で、累積発行部数は1000万部以上になります。

 この本は増補に増補を続け、書き足し書き足しを続け段々と分厚くなったと思われます。私が持っている本は本文が964頁あります。本文の前に「新説不老長寿法の真髄続編」が目次を含めて86頁あります。そのあと、「巻頭警告」が目次を含め70頁あります。そのあと説明図や写真が14頁あって本文に入りますが、本文の目次と索引が70頁あります。これを合計すると1204ページになります。紙のサイズはB6ですから、小さくて分厚い本です。紙の質は悪く、けっこう小さい文字で書かれています。その分、内容の割りに値段が安いかもしれません。私が持っている本は、昭和547月に買ったもので、定価は2500円です。

 内容を見ますと、見たり聴いたりしたことで、効果がありそうな事は何でも書いてあります。そして自分の考え方もかいてあります。

 著者は生来腺病体質で壮年時代には根強い肺結核と取組んで五ヶ年間も人知れず苦しい闘病生活を続け、ようやく之を克服したら腎臓結核を続発し尿路疾患までやられ何回か死の門をくぐったが手術や膀胱の化学療法はやらずに漢方薬と刺激や鍛錬の体験療法によって完全に之を征服したそうです。

 

平成18919日 食養内科勉強会資料

 

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