漢方・中医学の話⑤

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陰陽消長 陰陽失調 陰陽失調
健康 未病
病的体質
発病、病気
内傷雑病
外感熱病

内傷雑病 内的発病因子の増大
病理的産物の増大
気・血・水(津液)の異常
機能失調
生活習慣病
慢性病
外感熱病

外的発病因子が発生原因
6種の病邪
ウイルス、細菌など病原体
正気の虚、抵抗力の低下

感染症
伝染病
邪正闘争


本治と標治

疾病の本質
病因
正気
先発病
臨床上の現象
症状
病邪
後発病


 漢方・中医学の治療は本治と標治で成り立っている。本治とは何で又、標治とは何かという話になるが、本治が本質的な治療で標治が表面的な治療である。
 物事には表面的なことと、本質的なことがある。右の図は氷山を表している。表面に出ている方が少なく多くは水面下にある。

 






 右の図は火山を表したものである。火山が噴火した時、地下には大量のマグマがうごめいている。
 例えば殺人事件が起きたとする。その背景に愛憎のもつれがあったりする。
 漢方・中医学では病気の発生を内的要因と外的要因の関わり合いの中で発生すると考えている。そして内的要因が病気の本質であり、外的要因は病気が発生するきっかけとなる原因と考えている。
内因的要因が大きい時は、外的要因が少なくても発生する。

 内的要因が小さい時は外的要因が大きい時に発生する。
 内的要因は人体の調節機能の異常によって生じる。人体の機能は物や動きの量によって調節されている。過剰であっても不足であっても調節機能は異常を来たし、病的体質となり、それが内的要因になる。

 人体は体調機能が低下したり、異常になった時、外的要因にふれて発病する。感染症の病原菌は外的要因の代表的なのである。暑さや寒さも外的要因になる。
 現実には内的要因とも外的要因とも区別できないような原因もある。たとえば毎日十分な休みや睡眠を取らずに働いたら、段々と体質は悪化し、時期がきたら、何らかの症状が出る。それが発病である。
 こういう場合、原因は働き過ぎになると思うが、働き過ぎが内的要因になるか、外的要因になるか分からない。内と外に分けて考えれば、分かりやすいこともあるし、又分かりにくいこともある。

 漢方・中医学では不内外因と言うのもある。内でもない、外でもないと言う原因である。飲食失調、労倦および房室不節、外傷、寄生虫を不内外因としている。
 漢方・中医学の根本的な治療は本治になるのであるが、症状が激しい時は、標治を行う。症状が激しくない時は、本治だけ行えば良い。

 

治病必求于本(治病は必ず本を求める)
急則治其標、緩則治其本
(急なれば即ちその標を治し、緩なれば即ちその本を治す)

 
 標治を強くすると病気の原因が残る。例えばアトピー性皮膚炎の治療で清熱剤を多くすると痒みは治まるが、内部の矛盾が体の中に残る。
 従って、本治をするか、標治をするかは、症状の進行状況や程度に応じて、その時々で判断して行う。

 



平成23年5月25日 食養内科勉強会資料

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